恐らく、流れに身を任せるということなのだろう。潔いが、田中さんの場合、それは“ぶりっ子キャラ”を受け入れることに等しい。面白おかしく取り上げられることは得する一方、損することもあるはずだ。
「私はそれでいい。キャラクターが確立していれば、それは強みになると信じているので、まったく悲観していません。
私は、アナウンサーであることをベースにしてお仕事させていただいています。その知識や技術がある上にキャラクターが乗っかってくる分には一向に構わない。30代の寂しい独り身みたいにくくられても、ね(苦笑)。
芸能界だけでなく、一般社会で働いているOLさんだってレッテルを貼られてしまうじゃないですか。30歳を越えてバリバリ働いていたら『強い女』とか『可愛げがない女』とか。
仮にそんな女性が神楽坂のバーで飲んでいたら高飛車だと思われるかもしれないけど、どう見られても、それが自分にとって心地いい生き方だったら貫けばいい。
貫いて、10年後、振り返ったときに恥ずかしくなって顔を赤らめたっていい。今は今しかない。それを享受するべきです」
田中さんの口調はきっぱりしていて清々しい。人としての強さを感じさせる。その感想を伝えると、今度はこんな答えが返ってきた。
「私は女ですから、甘えるところは甘えるし、おいしいところはのっかる。その代わり、〆るところはキュッと締めていく。
そのたくましさが必要だと思います。強く頑張っている女は格好いいけど、私は可愛げがある女でありたい。それがたとえ計算だとしても」
最後の言葉を聞いた瞬間、ふと「あざとい」という四文字が思い出された。けれど、なんとも正直で人間らしい。そんな生き方はあっぱれだと、微笑む田中さんを前にして実感した。
■プロフィール
たなか・みなみ 1986年生まれ。NY出身。2009年、TBSテレビに入社。『サンデージャポン』『爆報!THEフライデー』など人気番組の司会を務め、’14年9月末に退社。同年10月よりフリーアナウンサーとして活動中
■衣装
ワンピース¥14,000、バッグ¥12,000〈ともにセルフォード TEL:03-3261-2857〉、イヤリング¥6,417〈アビステ TEL:03-3401-7124〉
■クレジット
Photos/Akira Maeda@MAETTICO,Styling/Yoko Tsutsui@PEACE MONKEY,Hair&Make-up/AYA@LA DONNA,Text/Mio Amari,Special Thanks to Bar LIDEMO
まだ神楽坂が残っていた!32歳からはこの街で大人の階段を上る
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