恋の大三角形 Vol.6

恋の大三角形:付き合った年月など無関係。プロポーズは待つのではなく、させるもの!?

東京を生きる女たちは、もう気がついている。

「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。

自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。

不動産会社で秘書をしている繭子(29歳)は、商社勤務の洋平(30歳)と付き合って2年になる。

30歳までに結婚を決めたい繭子だが、誕生日を目前にしても彼からプロポーズの気配がなく焦りを募らせる。

そんな折、普段と様子の違う洋平に第六感が働いた繭子は、咄嗟に嘘の予定を告げてしまう。

そして疑惑の夜。深夜2時、ようやく既読になったLINEに嫉妬心を募らせた繭子は、我を忘れて家を飛び出す


深夜の狂行


洋平のマンションのエントランスで、煌々とついた灯りに照らされた時、私はようやく我に返った。

家を飛び出した時の興奮は深夜の冷気で完全に醒め、ガラス扉についたドアノブの冷たさが、ますます私の心を寒々とさせる。

−やはり、帰った方がいいだろうか。

嘘の予定を告げたため、洋平の中で、私は今韓国にいることになっている。

ここで鉢合わせたら嘘がバレるし、そもそもこんな夜中に自宅で待ち伏せするような真似をしたら、洋平がどんな顔をするか…。

しかし、冷静になるタイミングが、一足遅かった。

「繭子?」

無条件に胸を締め付ける声がして、振り返る。

そこには、白いニットにピューテリーのコートを着た洋平が立っていて(どちらも、彼のお気に入りだ)それに気づいた私は思わず、目を細めた。

歪んだ表情を見せる私を認め、彼は大きな目をパチパチと瞬せる。…それは、彼が明らかに動揺している時にする、癖だ。

「…私に嘘ついて、どこに行ってたの?こんな時間まで、誰と一緒にいたの!?」

言いながら、嘘をついていたのはむしろ自分であることを思い出す。しかしもう、感情を止めることができなかった。

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