「大企業に入れば、一生安泰」
昔からそう教えられて育ってきた。
有名大学を卒業し、誰もが知っている大企業に入社。
安定した生活を送り、結婚し子供を育て、定年後は年金と退職金で優雅に暮らす。それが一番の幸せだ、と。
丸の内にある大手総合商社に勤める美貴(26)も、そう信じてきたうちの一人。
会社にいる同じ一般職の先輩たちを見ながら、「彼女たちのようになりたくない」とキャリアに悩む美貴。
そんなときメガバンク勤務の彼氏・優太があっさり「結婚を考えて、安定している今の会社に残る」と言い放ち、違和感を覚える。
現状を変えたいと思っているのは、優太ではなく自分だ、と自覚した美貴がついに奮起する。
水曜日の19時。美貴は仕事をきっちり定時で終わらせ、東京八重洲口に向かっていた。
周りに転職活動だと気づかれないようを意識しつつ、普段あまり着ないきれいめな黒のジャケットにグレーのパンツ姿で、大手転職エージェントのオフィスを目がけて歩いた。
受付で待っていると、40代前半......
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この記事へのコメント
私はこの主人公リアルな感じで良いと思う。本音は違うかもしれないけど就活の時は一般職でも子育て支援制度が整ってるので長く働いて欲しいって企業はアピールするから、大手一般職で良いかな、と入社する子の方が寿退社狙いのにゃんにゃんOLより多く感じるし。
優柔不断な感じはするけど、納得いく道に進めたら良いですね。
まだ、にゃんにゃんOLの方が面白かった。