あなたの部屋はそれほど Vol.4

男のパスタを茹でる姿を見て、途中で帰った女。紀尾井町在住・イケメン弁護士とのお家デートの落とし穴

「うち、くる?」

男の口からその言葉が零れた瞬間、女心は様々な感情で渦巻く。

高揚感、好奇心、そして、警戒心。

大手出版社で編集を務める由貴・29歳。

デート相手は星の数ほど、しかし少々ひねくれたワケありの彼女は、彼らの個性やライフスタイルが如実に表れる部屋を分析しながら、“男”という生き物を学んでいく。

昨年大好評を博した、「東京いい街・やれる部屋」 の新シリーズ。

これまで外資マーケターの高輪の部屋港区おじさんの六本木一丁目の部屋、そして元彼の番町の部屋を訪れたが、今回は...?


神保町の交差点に、ヒロが運転するテスラのSUV「モデルX」の真っ白な高級車が止まると、私は思わずプッと笑いを吹き出してしまった。

古本屋やカレー屋、老舗の喫茶店がゴチャゴチャと立ち並ぶ神保町という街に、その次世代感たっぷりの最新型電気自動車は、あまりにミスマッチだったからだ。

「ユキ、おはよう。すごくいい街に住んでるね」

ヒロは目を大きく見開き、少し興奮気味に言った。

アメリカ生まれの彼にとっては、この神保町という街は、もはや観光ちっくな香りがするのかもしれない。

「本屋が多いから、ここに住んでるんだよ。会社も近いし」

「すごく素敵だね」

車に乗り込むと、ヒロはにっこりと微笑んだ。

ちょっと強めなコロンの香り、いささか人工的に見える、白く綺麗すぎる歯並び。そして、少しワザとらしいくらいの、このビッグ・スマイル。

外見は全くの日本人なのに、海外育ちの男というのは、ドメスティックな男とは格段に違う“まっとうな自信”と“紳士的な色気”があると思う。

彼は目下、私の一番お気に入りのデート相手だ。

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