令嬢ライフ Vol.2

令嬢ライフ:大量生産されてるものなんて興味ない。令嬢たちの誕生日プレゼント事情

真の「令嬢」を、あなたはご存知だろうか?

アッパー層の中でも、その上澄みだけが集う世界で生きる薫は、「普通」とはかけ離れた価値観で生きてきた。

高価なジュエリー、日々の美食、時間に追われぬ毎日。

仕事も家事もせず、誰もが羨むような贅沢を当たり前のように享受する。

そんな薫にも悩みはある。

だがそれはやはり、「普通」とはかけ離れたものだった。


先週、懇意にしている百貨店の担当から言われた言葉に困惑した薫の、次なる悩みとは?


数日前、複数のジュエラーから連絡があった。

どれも、薫の気に入りそうな物が入荷したとの内容だった。

今日はちょうど、よく晴れている。

誕生日も迫っているから今日回ってしまおうと、薫は広尾からタクシーに乗った。

「銀座へお願いします」

時間はちょうどランチタイム。窓越しにコンビニから出てくるサラリーマンが見えた。

ー土曜日にも朝から働いて、コンビニのお昼なんてどうして耐えられるのかしら。

ビニール袋を手に提げた彼らを見て、そんなことを思う。

これから、アポイントをとっている数軒のジュエラーに立ち寄る予定だ。

たくさん歩いて疲れるかしら、途中どこでお茶しようかしらと思案しながら、去年のお誕生日プレゼントだった、ダイヤで飾られたピンクゴールドの時計を撫でる。

「この時計は時間を見る物じゃない、忘れるものです。」

そう説明され、購入を決めたものだ。

その言葉通り、時計を見て心の奥の方をふわりと優しくなでられたような気持ち良さを感じながら、アポイントを取っていた1軒目のジュエラーに入った。

今日アポイントをとっているジュエラーはどこも、全員が薫を認識している、安心できる空間だ。そこには普段使うことのないような、大きな宝石がショーケースに納められ、まぶしく輝いている。

サラリーマンの生涯年収の数倍はする宝石の数々に、薫は癒される。

1軒目に入り挨拶すると早速、奥の個室に通され、薫は上機嫌で運ばれてくる宝石を待った。

担当さんが金庫から宝石を運んでくる間、他の店員さんたちはミネラルウォーター、紅茶、クッキー、チョコレートを揃える。

薫がアルコールを飲まないこと、寒がりであることを気遣ってのテーブルセッティングなのだが、それはますます薫を上機嫌にする。

紅茶を一口いただいた時、薫のもとへジュエリーが運ばれてきた。ルースの一際大きなジュエリーと、薫の好きな犬と馬のモチーフのジュエリーだ。

もちろん値段は、一般的なサラリーマンの年収を優に超える。

こうして毎年、コレクションを増やしてきた。

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