目を覚ましたアキラは、慌てて周囲を確認した。
どうやらベッドではなく、黒い革のソファで寝ていたようだ。顔だけを上げて恐る恐る部屋の中を見渡していると、急に声を掛けられてアキラの身体がぴくりと反応する。
「あ、先輩。やっと起きましたか?」
声の方に顔を向けると、そこには爽やかな笑顔を浮かべた英明が立っていた。
「先輩きのう、酔い潰れちゃったんでうちに連れてきたんですよ」
「あ、そうか。あの……彼女は?」
「彼女は自宅に帰りましたよ。あ、僕の彼女じゃなくて先輩が声をかけた女の子ですか?」
英明の勘の良さに感謝しながら、アキラは無言で頷いた。
「覚えてないんですか?あの子なら、結局彼氏が迎えに来て仲良く帰っていったじゃないですか」
半分笑って、そして半分呆れたように言われてしまい、アキラはがくりと肩を落とした。
「悪いけど、シャワー借りていいか?」
なんだか、すべてを洗いながしたかった。タバコの臭いがついた髪も、昨日の情けない自分も、すべて。
「タオルは、そこの棚にあるのを適当に使ってください」
そう言って案内されたバスルームで、アキラはあるものを見つけた。
「なんだ、これ?」
アキラの視線の先にあったのは、スタイリッシュな白いボトルが2つ。
「あ、それリサージ メンの、化粧液と洗顔フォームです」
「化粧液って、化粧水だよな?へえ、こういうの使うんだな」
「はい、もちろんそうです。え、まさか先輩使ってないんですか?今は男もきちんとスキンケアしないとヤバいっすよ」
まるで不思議なものを見るような目を向けられ、アキラは慌てて答える。
「おい、馬鹿にするなよ。俺だって使ってるよ。ただ、こんなにしっかりしたものじゃないかもしれないけど……」
アキラは思わず語尾を濁してしまった。
「それじゃないですか、清潔感がないって言われた原因。女の人って、男の肌を実はよく見てるんですよ。僕の彼女も、このつるりとした肌の質感が好きだって、よく言ってくれるんです」
頬に手をあて顔を近づけてくる英明に、アキラは少しだけムッとする。
「試しにこれ、使ってみてくださいよ」
英明は、相変わらず爽やかな笑顔を向けてきた。素直に従うのは癪だったが、アキラはバスタオルと一緒に2つのボトルを無言で受け取った。
アキラが気づいた、好かれる男の秘密
―2ヵ月後―
アキラは出勤する準備を整えると、鏡の前で最後のチェックを始めた。
今夜は最近デートを重ねている理沙と食事の約束をしているのだ。今日が3度目のデート。今宵を彼女との記念すべき夜にしようと意気込んでいる。
理沙は、食事会で初めて会った時に「アキラくんって、嫉妬しちゃうくらい肌がキレイだねー」と笑って話しかけてくれた女性だ。
そのお陰か、前の彼女から言われた「清潔感がない……」なんてトラウマもすっかり消え去った。
実はアキラは、英明にリサージ メンを教えられた日、自宅へ帰る途中に銀座三越5階に寄って「スキンメインテナイザー」と「フォーミングソープ」を買って帰り、それまで使っていたスキンケア製品から乗り換えた。
鏡に映る自分を見ながら、アキラは思う。
肌が綺麗になったかどうかももちろん大事だが、そんなトラウマや不安を拭いされたことで自分に自信が持てたことが、何より大切なのかもしれない、と。
給料2ヵ月分の腕時計を身につけることで、物怖じしなくなるように、自分に自信をつけるためのアイテムを多く揃える。
それこそが、好かれる男が実践している秘密なのだと、アキラは密かに確信していた。
―Fin.
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