東京美食MAP 10の街 銀座で期待の新店 Vol.1

トゥ・トゥ

22

老舗も最初は新店。時を重ねて街に根付いていく

フランス「TOLIX」のスツールは味のあるアンティークな仕上げ

あえて言うならば美意識を共有する空間

22。謎めく数字が記された扉はずっしりと重い。開けるぞ。中へ入るぞ。そんな決意なくしては開けられない。この店は訪問者を選ぶ。いや、問いかけているのかもしれない。この感じ、好きですかと。

オーナー、森健一氏が出したひとつ目の店が銀座の7丁目にあるビストロ『アン・テリブル』。ふたつ目の店で2階にあるからと命名された『22』はビストロのようで、バーのようで、そのどちらでもないという不思議なところ。ただ、言えるのは料理や酒、インテリアに至るまで森氏の大好きなものだけが丁寧に選ばれているということ。

ちょっとした壁のフック、ゲストの荷物入れに使われているパステルグリーンの工具箱。どれひとつとっても、それどこで買えますか?思わず聞きたくなるものばかり。カウンターは黒皮素地仕上げの鉄素材。これはフランスに昔からあるカフェやビストロには必ずある、亜鉛のカウンターをイメージしたのだという。時と共に風合いが出てくるから、良いのだと。

そう言われてふと思った。森氏はいつの日か老舗と呼ばれるような息の長い店を作ろうとしているのではないだろうかと。改めて見渡すと決して広いとはいえない店内の隅々までに氏の想いが満ちていることが感じられる。想いこそが人を呼ぶ力となる。だから、氏の想いの共鳴者たちがここへやって来る。別のレストランへ行くための待ち合わせで、または食後酒を飲むために。もちろん、たっぷりと食事をとるためにも。

メニューは黒板に書ける分だけ。ごく限られた、けれども十分なラインアップ。ジョエル・ロブションの流れを汲むシェフが作るのはパテやサラダなど気楽なもの。けれども、焼き鳥風の「2種内臓のブロシェット」のソースは鶏手羽元のジュというガストロなもの、と押さえるところはしっかり。もうひと品、是非とも押さえておきたいスペシャリテがある。が、それは訪れた人だけのお楽しみ、ということで。

左.フォアグラのたまり醤油漬¥1,000。酒、味醂、ハチミツと共にたまり醤油で漬けたフォアグラは、知っているようでいて、まるで知らない初めての味。ワインのつまみに

右.何気ないように見える小物類も選び抜かれた物ばかりが並ぶ

左.季節野菜のグリル アンチョビソース¥1,000。プチトマト、ヤングコーンなど8種の野菜入り。南部鉄製ココットが欲しくなる5.

右.2種内臓のブロシェット¥1,500。リ・ド・ヴォー(仔牛の胸腺肉)と弾力ある牛ハツ(心臓)の串焼き

オーナー、森健一氏。レストラン、ホテルでの勤務を経て、青山の伝説のチャイニーズ『ダイニーズテーブル』にて、食の世界で働く楽しさに開眼。その後、独立してケータリングビジネスを始め、2008年に『アン・テリブル』、2011年『22』をオープン、現在に至る

左.店内、どの部分をとってもサマになる。シックとはこのこと

右.ワインはALLフレンチ。しかも手頃


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