メニューによります2 Vol.5

突如現れた、初恋の男。不調続きな高飛車美女の心は、一気に傾く...?

男性から食事に誘われたら、必ずこう答える女がいる。

「メニューによります」

男をレストラン偏差値で査定する、高飛車美女ひな子が、中途半端なレストランに赴くことは決してない。

彼女に選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。

最近は『Naveno-Ism』、『茶禅華』、『アピシウス』を訪問し、強気な商社マン・慎太郎との『銀座しのはら』デートに赴いたが...?


「ねぇ、僕と付き合ってよ。後悔はさせないから」

慎太郎は、揺るぎない自信を瞳に滲ませながら、まっすぐにひな子を見つめる。

『銀座しのはら』の料理に夢中で、これまでほとんど彼の顔を直視していなかったが、キリっとした眉に少し濃いめの整った顔立ちは、歌舞伎役者を思わせるような鋭さがある。

―あ...よく見ると、わりとキレイな顔...。

慎太郎はたかが2つ年上のサラリーマンということで、何となく斜め目線でしか評価していなかったが、少なくとも男気は感じられる気がした。

まだ知り合って間もない同年代の男に、これほどストレートに口説かれることもそうそうない。

ひな子はしばし気後れして言葉を失っていたが、慎太郎に手を握られていることに気づき、ハッとした。

「ちょっと、軽々しく触らないでよっ」

思い切り手を振り払ってやると、彼はニヤリと挑発的に笑う。

「これはこれは、失礼しました」

―食えない男...。

ひな子はこの慎太郎という男に、不本意にも心を搔き乱されていた。

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