丸の内のプーさん Vol.2

「“ふつう”の子と結婚したい」は、ヤバい男の独身フラグ

丸の内勤務の証券マン・江森(通称:えもりん)、30歳。おとめ座。

外見はプーさんそっくり、愛されキャラな男。好きな食べ物はハチミツ...ではなく、『ウルフギャング』のプライムステーキ。

港区生まれ、港区育ち、育ちのいい奴らは皆トモダチ。生まれながらに勝ち組な彼は、日本を代表するエリート・サラリーマンとして独身生活を謳歌している。

イケてるはずなのにちょっと拗らせ気味な男・えもりんは、親友ハルの結婚発言に焦りはじめた。


―あのハルが結婚なんて、ウソだろ...。

『西麻布 五行』で春彦と別れたあと、江森はトボトボと夜の街を歩きながら自宅のある麻布十番に向かっていた。

『西麻布 けんしろう』で散々焼肉を楽しんだあとに食してしまった焦がし味噌ラーメンを、少しでも消化したくもある。

―やっぱり、相手があの“ヒカリ”だからか...?

そこらの芸能人よりもずっと甘いマスクをしており、さらに“商社マン”という肩書を武器に、男なら誰もが羨むモテモテの独身生活を送っている春彦。

わざわざ身を固める必要などないはずだが、人気モデルかつ超お嬢様という“高嶺の花”を繋ぎとめるためには、やはり「結婚」という強硬手段に出ざるを得ないのか。

「でもボクも......ヒカリと付き合えたら、すぐプロポーズしちゃうかも」

つい、独り言が口を出る。

単純に、イイ女と真面目に交際しているらしい親友が、羨ましかった。

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