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赤坂の夜は更けて Vol.10

重い、寒い、暑い…。3文字だけで会話するわがままな女と、律儀に答える男

夜更けの赤坂で、男はいつも考える。

大切なものができると、なぜこんなに怖くなるのだろう。

僕はいつも同じところで立ち止まり、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。

41歳、テレビ局のプロデューサーである井上は、ひとりの女と出会う。

彼女の名前はハナ、29歳。ひと回りも年下の女だった。

ハナの友だち・葵に、ハナには一緒に住んでいる彼氏がいると知らされた井上。井上の反応は?


「ハナには、一緒に住んでいる彼氏がいますから」

『バー ティアレ』で、ハナの友人・葵が突然発した言葉は、井上にとって正直想定外だった。

想定外、というよりも不意を突かれた感じだろうか。しかし井上は、咄嗟にこう返した。

「知ってるよ」

井上の動揺は悟られなかった......


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赤坂の夜は更けて

夜更けの赤坂で、男はいつも考える。

大切なものができると、なぜこんなに怖くなるのだろう。

僕はいつも同じところで立ち止り、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。

赤坂で、男はある女と出会う。彼女の名前はハナ。ひと回りも年下の女だった。

夜が更けていくたびにどんどん深くなる男の心の闇に、ハナは一寸の光となるのか…?

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