夜更けの赤坂で、女はいつも考える。
大切なものは、いつも簡単に手からすり抜けてしまう。
私はいつも同じところで立ち止まり、苦しみ、前を向こうとして、またつまずく。
29歳、テレビ局の広報室で働く森山ハナは、ひと回り年上のプロデューサー・井上と出会う。
井上へのワガママに歯止めが効かなくなっているハナ。井上が、いつの間にかなくてはならない存在になっていた。
今日は金曜日。
ハナは、担当する新ドラマのポスター撮影に立ち会っていた。
この日はスタジオに缶詰めになり、代理店担当者や制作会社と打ち合わせし、膨大な数のカットを撮る。緊張状態の中で1日を過ごしたせいか、精神的にも肉体的にも疲労はピークに達していた。
22時に撮影が......
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