史子の心理学 Vol.2

史子の心理学:うまくいかない上司を手玉に取る方法、教えてあげる

なぜか急に、意中の相手から連絡が来なくなる。

なぜかある日を境に、友達がよそよそしくなる。

あなたにも、こんな経験はないだろうか。

普段のなにげない言動が実は、相手の心を閉ざす引き金になっているかもしれない。

心理カウンセラー・史子(アヤコ・32歳)は、そんな日常の言動に切り込み、解決策を提案するのが趣味。

前回は、高学歴の人間が無意識にしがちな非モテ発言についてメスを入れた史子。さて、今回の相談者は…?


たった一目で相手の問題点を読み取る女、史子


「史子先生。今度、僕の友人と飲みにいきませんか」

クリニックで史子の秘書をつとめる将生(マサキ・27歳)から唐突な誘いを受けたのは、先週末のことだった。

「それは何目的?私の婚活に協力してくれるの?それとも、タダで友達の相談にのらせるという魂胆かしら?」

「どちらもです」

クールなイケメン秘書は無表情のまま、にべもなく言い放った。

「友人って、同い年?私より5つも下じゃない。恋愛対象外だわ」

「では、悩み相談だけでかまいません」

うっすらと笑みを浮かべる将生に、本当はそっちが目的でしょ、と史子は心の中で毒づく。

「分かった、いいわよ。あなたの友人だし、特別に友達価格で聞いてあげる。ただしイケメンに限るわよ」

「もちろんそこは、ご心配なく。では、来週お店を予約しておきます」

将生はすぐに無表情に戻り、丁寧に一礼して部屋を出て行った。



将生が予約してくれたのは、『銀座うかい亭』だった。

案内された席に向かうと、先に来ていた男が席を立ち、史子に向かってお辞儀する。

「史子先生。こちらが僕の大学同期の、周平です」

将生に紹介された男性を一瞥して、ああ…、と史子は瞬時に理解した。

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