私、港区女子になれない Vol.13

港区女子も高学歴女も勝てない。良家に嫁ぐに相応しい、最強スペックの女性とは?

港区女子。

それは“女”としての魅力を最大限に利用し、したたかに生きる女たち。

一方、東京では高学歴やキャリアを武器に、自立して生きる女性たちは口を揃えてこう言う。

「私、港区女子になれない」

慶應義塾大学卒、大手広告代理店勤務の篠田涼子(29)もそのうちの一人。

涼子は30歳の誕生日にバーキンを自力購入することを目標に頑張っているが、そんな彼女の前に、不倫相手にバーキンを貢がせた港区女子・香奈が現れ、心をざわつかせる。

香奈への苛立ちを、紹介で出会ったIT企業経営者・に愚痴っていると、なんと誠は「俺がバーキン買ってやろうか?」と言い出し、涼子を困惑させるのだった。


シンプルで簡単なことほど、難しい…


誠と食事してから、1週間が経とうとしている。

―誕生日に、俺がバーキン買ってやろうか?

あの日以来涼子は、誠の言葉の真意を考えれば考えるほど迷宮入りしている。彼は一体、どういうつもりなのだろう。

しかも「家族でも恋人でもないのにあり得ない」と言ったら、彼は「じゃあ俺......


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