
「仕事はゲームだ」サラリーマンの醍醐味を知る者と、知らぬ者の思考の差
―年収が、上がらない。
薄々と気付いていた、サラリーマンの年収の限界。
大手広告代理店勤務の貴一(32)が改めてそれを実感したのは、入社10年目の1月、源泉徴収票を見た時だった。
今のところ、俺の年収は緩やかな上昇曲線を描いているが、その上を目指すならば、出世競争という名の我慢比べゲームに参加するしかない。
…俺の人生は、こうやって終わっていくのだろうか?
転職活動を始め、外資コンサルへの志望を強める貴一だったが、3次面接で落ちてしまう。しかしその後、起業した元同期・啓介に触発され、転職熱が再燃する。
「人生の漠然とした不安が、なくなったんだよね」
通勤電車の中、そう断言した啓介の言葉が頭の中で何度もリフレインする。
代理店から独立して起業。それは、決して珍しくない話だ。でも誰かのそんな話を聞くたび、いつも複雑な気分になる。
「よくやるよなぁ、アイツが」とやっかみ......
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