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  • グローバルエリート大輔 Vol.4

    グローバルエリート大輔 最終回:逆転の発想で得た成功。反目し合う男たちに芽生えた真の信頼関係とは


    恋人であるナオミの意見を聞いて、有田を責める気持ちは多少は薄れたが、それでもやはり大変な目にあわされたのだ。そう簡単に有田の事を許せるほど人間ができているわけではない。

    ―こっちに非はないんだ。

    大輔は強い思いを胸に、有田に背を向けたままオフィスがある37階に着くのを静かに待った。

    「なあ、ちょっと話せないか」

    エレベーターが20階を過ぎた頃、有田から声を掛けられた。大輔が怪訝な表情で振り返ると、有田は口を固く結んだまま大輔を伺うように見ていた。

    「すみません、今忙しいので今度にしてもらえませんか?」

    大輔は突き放すように冷たい声で言った。

    「5分でいいから、時間くれないか?」

    もう一度言われて、大輔は大きく深呼吸すると「わかりました」と答えた。エレベーターが37階に到着するのと同時だった。

    「例の件は、本当に申し訳なかった」

    ラウンジでコーヒーを飲みながら、有田は頭を下げた。周囲の視線を集めるほど深く頭を下げられてしまい、大輔は慌てて「会社でそんなことしないでください」と言ったのだった。

    「あれから冷静に考えて、なんて馬鹿な事をしたんだと後悔したんだ。謝って済む問題じゃないことはわかっているが、謝ることしかできないから」

    「はい、わかりました。でも正直今それどころじゃなくて、終った事にかまってる暇はないと言うか。とにかく、もう僕に関わらないでいただければそれで良いので、もういいですか?」

    大輔はわざと棘のある言い方をして、早々に席を立とうとした。有田は大輔の言葉を受け止めるように、下を向いたまま無言で頷いた。

    「じゃあ……」

    大輔が椅子から立ち上がり一歩踏み出そうとした時、「なあ」と少し大きな声で有田から呼び止められた。振り返ると有田は、大輔の顔をじっと見て言ったのだった。

    「例のアーティストの炎上で大変なことになってるよな。代わりのタレント候補は、すでにいるのか?」

    ―それを聞いて、また邪魔する気ですか?

    大輔は心の中で呟いた。さすがに口に出すことはしなかったが、咄嗟に思った感情はそれだった。だが有田が続けたのは意外な言葉だった。

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