フォックス・アンブレラの男 Vol.2

フォックス・アンブレラの男:好きになってはいけない相手...品川駅に行く度に思い出す9歳年上の上司

たかが、傘1本。されど、傘1本。

その傘に、男の哲学が宿る。

英国製の紳士淑女のための傘、フォックス・アンブレラ。英国王室御用達で約150年の伝統を持つ、細く巻け、開けている時も美しい、細身傘の代名詞だ。

そんなフォックス・アンブレラを愛する男、克典42歳。傘から垣間見える人間性と、そこで繰り広げられる人間模様。ミステリアスな克典を、傘を通じて様々な女性が振り返る。

前回は、数回デートを重ねたものの、突然、克典と連絡が取れなくなった聖子を紹介した。今回の語り手は...


社内で一匹狼だった克典


克典さんは、私の会社の上司でした。

私・紗弥香は克典さんより9歳下で、彼は新卒時代に配属された部署の上司でした。その当時の克典さんは凄く怖くて。とは言っても、最近お会いしていないので、今もあのオーラがあるのかどうか分かりませんが。

—社内の一匹狼—

みんな陰でそう言ってました。仕事終わりに誰かと飲みに行くようなこともせず、上司や部下に媚を売ったりもせず。とにかく仕事が出来て、でも冷酷で。どこか寂しそうな目をしていた記憶があります。

「克典さん、飲みに行きませんか?」

「俺が飲みに行かないの知ってるだろ?プライベートはプライベートだから。」

毎回誘っても断られました。私の会社ですか?よくCMで流れている、千代田区にある人材系の会社です。これだけ言えば分かっちゃう人もいますよね(笑)優秀な人が集まるといわれている会社ですが、克典さんは群を抜いていましたね。追随を許さない感じでした。

でもある日のアポ帰りに、そんな孤高の克典さんを、上司としてだけではなく、男として好きになってしまいました。怖くて近づけない雲の上の存在に、惚れてしまったんです。

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