硝子の少年 Vol.2

硝子の少年:「秘密」に翻弄される、純朴少年。美女の甘い言葉に、彼は毒されていく

男なら誰にでも、忘れられない女がいる。

美しく、強く、狡猾な女、「エリカ」。

潤にとって忘れられない女は、彼女以外の誰でもない。

フリーライターとして地味な仕事をする潤と、その美貌ゆえに、煌びやかな生活を送るエリカ。彼女に強い想いを寄せる潤だが、当然ながら、まるで相手にされない。

彼女が狙うのは、自分の価値をさらに高められるような、ハイステータスの金持ちばかりだった。

にもかかわらず、潤は、どうして「高嶺の花」であるエリカを追い続けてしまうのか?

そんな二人の出会いは、学生時代に遡る。


「あ...、潤くん......だっけ?」

僕を見つめるエリカの大きな瞳は、少し赤味を帯び、涙で濡れていた。

彼女の顔のあまりの美しさに気圧され、僕は言葉を発することもできずに俯いてしまう。

エリカを遠巻きに眺めることはしょっちゅうだった。彼女は他の人間と比べても格段に目立つため、一旦視界に入ると、嫌でも目を奪われてしまうのだ。

しかし、これほど近距離で見つめ合うことなど、当然ながら初めてだった。エリカの顔は、とにかく美し過ぎた。大きな目に、ぽってりとした赤い唇、そして透き通るように白い肌。同じ人間とは到底思えない。

「あれ...?瑛太くん...だったっけ?」

「じゅ...潤で、合ってます。」

「やっぱり、そうだよね!名前間違えちゃってたら、どうしようかと思ったよ。」

エリカは涙を浮かべたまま困ったような笑顔を浮かべ、「ふぅ」と、手で胸をなで下ろす。その仕草は、息を飲むほど魅力的だった。

校内一の美女の関心が、今、僕に向いている。

僕は身体が震え出しそうになるのを、必死に堪えていた。

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