執行役員リサとマリコ Vol.6

執行役員リサとマリコ:悩める女の出世街道。自分にとって譲れない軸とは?

大手IT系メディア企業CNAの初・女性執行役員に抜擢されたリサ、28歳。

動画サイト『B Channel』の買収により、新たな女性執行役員マリコが登場する。マリコは入社早々、「ルブタンを履いた悪魔」として社内に次々と旋風を巻き起こす。リサをライバル視するマリコは、一緒に登場したイベントでリサを罠にはめるが…?


自分にとって譲れない軸とは?


社長・平尾太一の命令でマリコと同じイベントに登壇したが、彼女の策略でとんだ恥をかいてしまった。会社に着き一息ついていると、取締役の加藤祐介が現れ、彼の優しい言葉に思わず泣いてしまった。

「どう?少し落ち着いた?」

加藤祐介はそっとハンカチを差し出した。男の人のハンカチなのに、きれいにアイロンが当てられている。全く、彼らしい。

「すみません。私、こんなことで…。」

今日あった一連のことを加藤祐介に話した。すると加藤祐介は優しい顔で話し出した。

「リサ。若くして出世すると、辛いことが沢山ある。これからもあるはずだよ。信頼されていた人から裏切られたり、逆に裏切ってしまったり。それでも、絶対にこれだけは譲れないっていうことを一つ決めるんだ。一流と呼ばれている人はその軸があるからぶれないし、どんなことにだって耐えられる。それに正解も不正解もない。ただ、これだけは譲れないっていうものを考えてごらん。」

―譲れないもの…。

リサは考えた。それこそが、マリコに言われてしまった「仲間」との関わり合いなのかもしれない。

チーム一丸となって新たな事業を作る喜びだったり、皆で同じ目標を目指して喜怒哀楽を共にしたり。出世してから嫉妬や妬みも多少感じたし、孤独も覚えた。それでも、執行役員という大きなポジションを得て同じ目標を志してくれる仲間が増えたことは喜びだった。

そんなことを考えていたリサだったが、ふと目の前にいる加藤祐介について考えた。いつも優しいけれど、彼の心の底はいつも分からない。

「加藤さんの軸は何ですか?」

「俺はね、カリスマ経営者と言われている平尾太一の才能を世に知らしめることだよ。ヤツのことは、一番俺が分かっているからね。」

「さすが加藤さん…。」

しかし、このときリサは加藤祐介の本当の姿を知らなかった。

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