バルージョ麗子 Vol.5

バルージョ麗子:恋愛ベタな麗子の本音。気分があがるのはデートよりもあれ?

女の幸せはキャリアか?それとも結婚か?

婚活に燃える同僚、キャリアに突っ走る先輩の間でどちらも選びきれない32歳の麗子。彼氏ナシ。

そんな彼女を癒すのは、その麗しき名前に似合わない?賑やかなバルでの心地よいひと時。「お酒を飲んでいる時間がいちばん楽しい!」と、現実逃避のごとく、今宵も一人、素敵なバルを探して東京を彷徨う。

バルで相席になったハイスペック男・河村に連絡先を聞かれた麗子。翌朝、早速LINEが来て自尊心をくすぐられる。婚約者がいるのに出会いに積極的な同期、優香に背中を押され、久しぶりの恋がはじまるか?


ストレートな誘い文句と完璧なデート


翌朝起きると早速、河村からLINEが入っていた。

「おはようございます。昨夜は突然すみませんでした。良かったら今度お食事に行きませんか?」

河村とは、先週同僚の優香と行ったバルで知り合った。席が空くまでの間、相席になり10分程度話しただけに過ぎないが、麗子が店を出る間際、わざわざ追いかけて連絡先を教えてほしいと言ってきたのだ。

ストレートな誘い文句は、河村の人柄を表しているようだ。河村は色気をふりまき、女を惹きつけるタイプではない。連絡先を聞く時の彼の少し緊張したような面持ちを思いだし、麗子は笑みをこぼした。久しぶりの恋になるだろうか。淡い予感を抱き、デートの約束をした。



初デートの待ち合わせは麻布十番だった。もうすぐ開催される夏の風物詩、麻布十番祭りのため、今年も宇野亜喜良のイラストが商店街中を彩っている。お祭り気分を先取りし、麗子は気持ちの高鳴りを覚えた。

河村が予約していたのは『リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ』。和食の要素をふんだんに取り入れた型にはまらないフレンチは、蒸し暑く食欲が落ちがちなこの季節にぴったりだ。カツオのたたきやジュンサイの冷スープといった納涼感のある料理は目にも涼しく、都会的な暑気払いとなった。


河村は営業職らしく、話題が豊富で話上手だった。かと言って一人で話し続けるような無粋なことはせず、麗子の話にも関心を寄せ、積極的に話題を振ってくれる。お互い出身地から仕事、学生時代の思い出まで様々な話をした。河村の振る舞いは終始紳士的で、デートは最後の最後まで一貫してスマートだった。

別れ際、河村が麗子に言った。

「お会いできてうれしかったです。よかったらまたお食事に誘ってもよろしいですか?」

どこまでも礼儀正しい河村に、麗子は静かにうなずいた。

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