話題店の影にこの人あり!立ち上げのプロが語る成功するレストランの作り方

Q.一過性で終わらない長く続くお店にするためには?

大槻:チーム作りが大事だと。

中村:そうです。例えば、いま何が足りないか。パッとそれをできる人がいないのなら、探せばいいんです。そうして、店に足りないものを埋めていく作業。目利きができなければ、目利きだって探す。というのがうちのやり方ですね。

大槻:雑誌作りと本当に同じです。

中村:この欠点は、人を巻き込むほど、支出が増えていくという。

大槻:そこも同じです(笑)。

中村:でも、結果的にいいものができればペイできます。飲食は特に継続が大事。そして、とにかくランニングで赤を出さないこと。

大槻:なんだか耳が痛いです。

中村:ブームが終わったらどうするんですか? とよく聞かれますが、僕らは、ブームで終わらせない。例えばお手伝いさせていただきました『ビルズ』ですが8年目のいまも右肩上がりです。

大槻:〝世界一の朝食〞ですね。

中村:メディアの取材や雑誌のタイアップの際には、ビルズだけでなく、関連他店の宣伝もしてしまう。一店舗だけだと面白くないんで、ライバル店も入れて提案します。小波と小波を合わせて大波に。ブームをスタンダードにしちゃう。今まで日本になかったカルチャーを生み出すという命題を作るんです。ビルズであれば、日本になかった朝食カルチャーを根付かせるレストランにするとか。カミカツタップルームは、ポートランドなど西海岸で見た、クラフトビールが街に根付いたカルチャーを作るというのが命題。カルチャーとして考えるとスタッフもブレないし、お客さんも長い目で見てくれる。そのためには、メディアとセットで訴える。一時のブームで終わらせないための方法を日々、粛々と考えています。

大槻:では、TCブルワリーもクラフトビールのカルチャーが日本に定着するように、一緒に大波を作りたいと思います。

中村:本当に楽しみです。TCブルワリーは実現しないんですか?

大槻:それはもう、スポンサーさん、大募集してますよ(笑)。

『RISE&WIN BREWING CO. KAMIKATZ TAPROOM』

徳島県上勝町のマイクロブリュワリーの東京店。内装は、建築家、中村拓志さんが担当。店の随所に、上勝町が推進するゴミ排出をゼロにする「ゼロウェイスト」のコンセプトを踏襲したディテールが

店で味わえる3つのクラフトビールを利き酒できるセット(¥1,000)。右から、ルーヴェンホワイト、IPA(今夏発売予定)、ポータースタウト、ペールエール。ほかにも、国内外でセレクトされたタップも用意

中村貞裕さん≪トランジット ジェネラルオフィス代表≫

最近では、銀座のモダンギリシャレストラン「アポロ」も手がけた仕掛けの達人。カフェブーム、朝食ブームに貢献する。徳島県上勝町発ブリュワリーの東京店もプロデュース。話題店の影にこの人あり、の業界最重要人物

大槻 篤≪東京カレンダー編集長≫

編集部員との飲み会で勢いよく「TCブルワリーやっぞ!」とブチあげるも右も左もわからず戸惑う編集長。恥も外聞も打ち捨て、早々達人に教えを請うことに。力強い助言を得た今「早く実店舗の開店を!」などとうそぶいている

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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