東京結婚式明細 Vol.7

東京結婚式明細:38歳の生真面目女の、完成度の高い結婚式。それをぶち壊したのは...?

理想的な結婚を、適齢期にした沙織、32歳。
誠実で、外見も稼ぎも良い夫と安定した結婚生活を送り、3年になる。

今回は38歳にして年下の会計士と結婚を決めた、生真面目な女の気合いに溢れた結婚式に出席することになった。しかしその緊張感溢れる会場で、沙織が目にした衝撃の光景とは……?

東京結婚式明細 vol.6:10年不倫を乗り越え結婚に辿り着いた女。その清々しいほどの幸せの秘密とは?


38歳、お堅いお嬢様の結婚が困難な理由とは?


麗子は結婚できないタイプの女だと思っていた。

20代の頃から結婚願望が強い女だったが、如何せん真面目というか、神経質というか、今どき珍しいほどお堅いタイプだからだ。

彼女は親が官僚というお嬢様で、そのお堅い性格は外見にもそのまま反映されている。艶のある黒髪はいつもハーフアップにピッタリとまとめ、美人だが少々キツめの顔には化粧品売り場の美容部員のように隙のないメイクが常に施されていた。

理想の男のチェック項目は気が遠くなるほど多かった。適度な収入、清潔感のある外見、温和で紳士な性格、育ち、などはもちろんのこと、愛読書や健康診断の結果、保険から将来子供に入学させる学校まで気にするのだ。麗子は私が知る女の中で一番の完璧主義だ。

さらに長年外資系投資銀行の秘書職に就いている彼女は、自身の年収もかなり高いと思われる。

もちろん性格が悪いという意味ではない。むしろ他人にはとても親切で、知識豊富な彼女は頼りがいもあり、正義感にも溢れている。それが少々過剰なだけなのだ。

彼女のことは好きだし尊敬しているが、女子会をするときなども少々面倒だった。食事に人一倍気を遣っている麗子は「皆さまにお任せします」などと言いながら、『ビストロアム』『レストラン エール』『レ マリアージュ ドゥ ガク』と言った女子会三大巨塔の店をサラっと候補に挙げる。後輩の私たちはいつも人気店の予約を取るのに必死だった。

これが男であったら、デートの度にどれだけ苦労するのだろうか。

実際に、麗子は婚活に苦戦していた。彼女の条件をクリアする男はそもそも少ない。たまに恋人に昇格した男がいても、麗子が彼らに結婚という一大決意をさせるのは困難で、何だかんだで短期間で破局するパターンだった。

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