西へ東へ、陸地はもう大体制覇した。十分楽しんだ。そんな日がいつか訪れるかもしれません。
そこで次のステージとして考えておきたいのが海。この大海原を自分の船で駆け巡る、男のロマンです。地上の足が車ならば、海上の足は?もちろん船。中でも、おすすめしたいのがゴージャスな"メガヨット"。
そこで今回も、これまで30万海里以上にもなる航海経験をもつキャプテン・ナイジェルにおすすめのメガヨットを聞いてみた。第3回目となる本日は、ジム、スチームルーム、バー、ラウンジ、ソファなどからなるビーチクラブや美しくエレガントなダイニングエリアを持つ、黒いハルにスーパーストラクチャーのカーブが美しい「アンG」をご紹介。
Heesen 50m "Ann G"
そのオーナーは他のヨットより一層目立つサイズのユニークなヨットが欲しかった。真の個性のあるヨットだ。154ベネッティのようなシェイプが好きだそうだが、イタリアではなく、北欧で建造したいという。
希望のステートルーム数は6室、クルー用の宿泊施設も最高のものにしたい。自分自身でデザインチームを組み、ビーチクラブも設置したい。事実、このヨット全体で一番重要なのはビーチクラブだという。それがこのヨット全体のデザインにおけるスターティングポイントだった。
そして生まれたのが「アンG」だ。
黒いハルにスーパーストラクチャーのカーブが美しいこのヨットは、まるでデザイナーのコンセプトブックから飛び出してきたようだ。このヨットの細部にわたる全てが私は好きだ。
流れるようなラインが作り出す造形がとにかく美しく、人々の目を奪う。この明白なスタイルが「真の個性のあるヨット」を作り上げる要素の一つだ。
インテリアデザインも同様に美しい。インテリアの全てがしっかりと機能している。ほどよいアールデコ調が心地よいメインサロンには、ゆったりとくつろげるソファ。オニキスのバーエリアは後方デッキにつながっている。前方にはシンプルに装飾された美しくエレガントなダイニングエリアがある。
さらに前方へ行くと、そこはオーナーのスイートルーム。プライベートな書斎にビーム全てを取ったステートルーム、大きな浴室の両脇にはそれぞれドレッシングルームがある。階下へ行くと更にシンプルなアールデコ調の5室のステートルームがある。
階上のスカイラウンジとアッパーサロンは大きな窓から自然光がふんだんに差し込み、落ち着いたスペースとなっているだけでなく、アッパーデッキへ楽にアクセスできる。アッパーサロンの後方にはアウトドアダイニングエリアがあり、10名が着席可能だ。
それに加えてアウトドアラウンジもあり、さらにもう一階上へ行くとそこには広大なサンデッキエリア。サンベッドやジャグジー、バー、アウトドアラウンジもある。