週末婚2016 Vol.7

週末婚2016:結婚3年目で初めての大喧嘩。妻には夫の知らない顔がある!?

前回までのあらすじ

週末だけ一緒に過ごす結婚・週末婚生活を送る諒介(31)と理帆子(35)。

ミラノサローネで、理帆子のメイン作品であったガラスのテーブルを壊した犯人は、なんと理帆子の事務所の沢井彩が犯人であった。その後、久しぶりに夫婦で週末を迎えるはずが……。

週末婚2016 vol.6:嫁姑戦争勃発! 嫁のカルティエのダイヤは姑への宣戦布告


「理帆子さん……本当にごめんなさい。テーブルを壊したのは私なんです……。」

ミラノで理帆子の作品を壊した犯人は、なんと理帆子が一番事務所で信頼を置いているスタッフの沢井彩だった。

「一体どうして……。森さんに頼まれたの?」
「頼まれたというわけではありません。森さんとは少し前からお付き合いをさせて頂いているのですが、どうしても彼に賞を獲ってもらいたくて。ミラノで理帆子さんのテーブルを見ていて、気付いたら私……。」

「理帆子さん、僕は彼女と付き合ってなんかいませんよ。沢井さん、勘違いするのは勝手だけど、まるで僕まで共犯みたいな言い方されるのは、困るなぁ。」

森という男は下劣な男らしい。沢井彩の、女の柔らかな部分にするりと入り込んだ上で、仕事のためだけに利用したということか。

「研吾、そんな……だって、好きって言ってくれたじゃない。」

彩は今にも零れ落ちそうなほど、大粒の涙を浮かべながら、悲しみと憤りが入り混じったような表情で森研吾を見つめている。

「お前、それとなく彼女をそそのかしたんだろ! 女を利用して、自分の仕事を形だけ成功させるなんて、自分の仕事に自信がない証拠じゃないか。」

「青臭いこと言うんですね、森島さん。建築士だったら分かるでしょ? 自信なんていう主観的な感覚は仕事じゃなんの役にも立たない。結果が全てでしょ?作品を壊したのは僕じゃない。ましてや、審査員に不正を働きかけたわけでもない。僕は受賞という結果を残すための自然なプロセスに滞りがないように、普段からただ心がけていただけですよ。」

「理帆子さん、それに沢井さんがこう言ってましたよ。最近の理帆子さんの作品は理帆子さんらしくないって。大きな賞を取るという目的が先行して、理帆子さんらしいデザインじゃなくなってきているって。あなたにはあなたの目指すものがあるんでしょうが、それって、本末転倒っていうんじゃないですか。」

「もういいわ。諒介、帰りましょう。」
「理帆子、でも……。」
「いいのよ。とにかく今日は帰りましょう。」

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