読者モデルの闇 Vol.2

読者モデルの闇:やめられないインスタ地獄。いいね!に翻弄されて睡眠不足

一昔前のモデルブームと違い、今は身近な存在の読者モデルがもてはやされる時代に。しかし、その代償は大きく彼女たちを取り囲む闇は深い。

労働時間に対して低すぎる給与、読者モデル自体の供給過多による失われていくポジション、意外なほど少ない職場外での男性との出会い。

前回は所属事務所の社長が仕掛ける、“うさぎ・トラップ”に泣かされたまさみを紹介したが、今回はインスタグラム地獄に悩む沙希に迫る。

一枚のスナップ写真が平凡な彼女の人生を変えた


カフェでアイスティーを飲む今回の協力者、沙希。顔立ちはあまり特徴がなく”普通”といった印象だが、笑ったときに出る八重歯がかわいいと思う。兵庫で読者モデルをしていた沙希は、昨年憧れの東京に上京してきた。地元から地道に増やし続けた”インスタグラム”のフォロワーは現在9,000人で、もう少しで1万人を突破する。

元々、目立つことが好きというわけではなかったが、スナップ撮影に声をかけられたことでこの世界に足を踏み入れたいと思ったそうだ。初めて雑誌に載った自分を見て感動し、周りから「見たよ!」と注目されたのが嬉しかったという。

「自分はずっと普通で、このまま地元に埋もれていくと思ったんです。短大を卒業して、就職して、結婚して。大げさかもしれませんが、ここが自分のターニングポイントだって感じました」

その後、大学に通いながら読者モデルをし就職もせずに上京。母親には最後まで反対されたが、”やりたいことがある”といって飛び出してきたのだ。現在はショップ店員として生計を立てながら、空いている時間でモデルの仕事をこなす日々。そこまで彼女を動かすやりたいこととは、一体何なのだろうか?

"やりたいこと”それが沙希にのしかかる重りだった


母親を納得してもらうために、「自分みたいな普通の人でも、こういうことができると思ってもらいたい」なんて啖呵は切ったが、最終的にどうしたいのかは決まっていない。埋もれたくないという理由だけで出てきてしまった沙希には、やりたいことがよくわからず、とりあえず今はインスタグラム(以下インスタと略)だけが頼りだという。

インスタは日本では2013年頃から水原希子やローラなど女性の人気モデルが始めたことから、人気が広まり始めた。写真一枚で自分の世界観が創れることが若い世代に受け、20代女子ならばほとんどが利用するスマホアプリ。

読者モデルがこうして注目され始めたのも、インスタの普及が大きく関わってくる。今まで雑誌やテレビに出れる人は限られてきたが、ネットとなれば芸能事務所やメディアの大きさは関係ない。注目されればどんな人でも、もてはやされる。沙希はそれを近くで実感しているのだ。

「東京に出てきてから知り合ったモデル仲間は、みんなフォロワー数が10k(1万人)なのが当たり前。それ以下は相手にされないんです」

インスタのフォロワー数が自分より多ければ、仲良くなりたいと思い、自分より少なければ相手を見下す。そういったマウンティングが知らぬ間に繰り広げられている。「フォロワー数なんて気にしないよ」って言うけど、それは嘘。沙希のフォロワー数が100人しかいなければ、こうしてモデルの仕事をもらえることもない。

今もインスタのフォロワー数を増やすことに必死なあまり、いいね!を気にして眠れない日が続く。周りからは気にしすぎだと言われるが、あの写真はアップしないほうが良かったのかな、コメント変えたほうがいいのかな、でも変えたことを指摘されたらどうしようと考え始めたら止まらなくなってしまう。

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