
泊まれる本屋から、「芥川コーヒー」まで。独り東京を満喫できる書店3選
芸人・ピース又吉直樹氏の芥川賞受賞で、改めてその魅力に注目が集まる日本文学。そんな日本文学を五感で味わえるのが、日本近代文学館内に昨年オープンした『BUNDAN COFFEE & BEER』です。
誰もが一度は手に取ったことがある名作から、マニアックなものまで、店内には約2万冊の本が並びます。プロデュースは雑誌やウェブ、グッズ制作、イベントのオーガナイズなど、幅広いジャンルで活躍するクリエイティブワーカー「東京ピストル」。実は、東京ピストルのメンバーはみんな本マニア。店内の本のチョイスも、東京ピストル代表である草彅洋平氏が担当しています。
喫茶メニューも本好きならではのこだわりがあり、文学作品に関連したものばかり。たとえば「芥川 AKUTAGAWA(Brazil)700円」。ピールのような酸味とナッツのような甘さが特徴のブラジルコーヒーですが、そのパッケージの裏にはこんな思いが記されています。
”芥川龍之介や菊池寛、与謝野晶子、宮沢賢治といった多くの文士が通い、日本におけるコーヒー文化発祥の地とされている喫茶店が銀座にある。その名も『カフェーパウリスタ』。1913年(大正2年)、にオープンした同店が提供していたものこそ、ブラジルコーヒーである。「銀座にブラジルコーヒーを飲みに行こう」というのが「銀ブラ」の語源だとも言われている。”
そうなのです、その当時に提供されていたブラジルコーヒーを再現しているのです。実際に、芥川の作品「彼 第二」には、
”―僕等は金の工面をしてはカッフェやお茶屋へ出入した。彼は僕よりも三割がた雄の特性を具えていた。
ある粉雪の烈しい夜、僕等はカッフェ・パウリスタの隅のテエブルに坐っていた。―"
とパウリスタが登場しています。
このように日本文学作家や作品にちなんだメニューを楽しみながら、本を読みすすめれば、当時の彼らが目にしていたのと同じ景色が見えてきそうではないでしょうか?都会にいることを思わず忘れてしまうほど、自然豊かな場所にある『BUNDAN COFFEE & BEER』。
日本文学は敷居が高い、難しそうと考えすぎないで、まずは一杯のコーヒーを入口に日本文学に触れてみるのもいいかもしれません。
『BUNDAN COFFEE & BEER』
〒153-0041
東京都目黒区駒場4-3-55 (日本近代文学館内)
☎03-6407-0554
9:30~16:20
日曜・月曜・第4木曜休(日本近代文学館に準拠)
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