東京結婚式明細 Vol.2

東京結婚式明細:1.5次会という名の2次会トラップ。舌打ちしたいほど「非常識」な式の実態

理想的な結婚を、適齢期にした沙織、32歳。

誠実で、外見も稼ぎも良い夫と安定した結婚生活を送り、3年になる。しかし、ふと周りを見渡せば、皆が同じように幸せかというとそうでもないことに気づく。

友人も多く幸せな日々を送る沙織は、招待された結婚式で何を見て、何を感じてきたのか。そこに見える現代の結婚観や、男女の情事を観察する。

結婚式明細書 vol.1:東京結婚式明細:主役は義母!?玉の輿の高すぎた代償

男から甘い蜜を吸って生きる、愛人のプロ。朝子の結婚


悪友の朝子が結婚するという。絶世の悪女が結婚するとは驚きだった。この女はいつか、

「結婚や出産なんて、何の取り柄もない女が、最後にすがるものでしょ?」

と桜色の唇を動かしながらサラっと言ってのけていた。

朝子は、一言で言えば愛人の「プロ」みたいな女だった。真っ白な艶のある肌と大きな瞳が印象的な、やたらと肉感的な女だ。私もそれなりに派手な20代を過ごしてはいたが、彼女に比べたら可愛いものだと思う。

都心で生活する綺麗な女なら、誰しもが1度くらいは財のある年上の男から甘い蜜を提供される機会はあるだろう。しかし朝子に至っては、歳をとるにつれてそれは生業になっていくようだった。彼女には、素性はよく分からないがとにかく大金持ちのパトロンが常にいた。

皆が就職し忙しい日々を送る傍らで、広尾や青山といった一等地の高級マンションに住み、エステやスポーツジム、お料理教室にのほほんと通う生活を送る彼女に対しては、普段は人をあまりジャッジすることのない満たされた女たちも、流石に軽蔑を抱き距離を保っていた。

しかし朝子本人はそんなのどこ吹く風だとでも言うように、会えばいつも買い物帰りで、買ったばかりのエルメスやシャネルと言った高級ブランドショップの紙袋を腕にぶら下げ、高価な衣類に全身を包んで登場していた。

私も好感が持てるわけではなかったが、ただ存在として面白い女だと好奇心を持っていた。

30半ばにしての授かり婚。女としての評価は高い


朝子は私より2つ上の34歳だ。

彼女に最後に会ったのもすでに2年程前だったが、最近はパトロンも不景気で、大した生活はしていないと口を尖らせていたのを覚えている。きっと贅沢三昧に暮らしてはいたものの、30を過ぎて仕事もなくきちんとした将来への保証もなければ、誰しも先行き不安になるものなのだろう。「愛人」こそ、歳とともに取柄がなくなっていくはずだ。

しかし朝子は、28歳の年下の商社マンの子供を妊娠した。30も半ばで女の武器を使って結婚まで辿り着いたのだから、さすが私が「プロ」と思っているだけある。女としての評価は高い。

結婚式は、朝子が妊婦なこともあり気軽な1.5次会だということだった。おや?と少し首をひねったのは、招待状に記載された会費が2万円と高めの設定だったからだ。しかも男女の傾斜はない。しかし1.5次会といっても着席制だということで、その時は深く考えずにいた。

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