オーシャン・パラダイス号は12名まで宿泊可能だ。下部デッキにはゲストスイートがある。ダブルが2室、ツインが2室。
すべてのゲストステートルームは広くスペースを取ったシャワーエリアを備え、バスルームに部屋自体は明るく、収納スペースも広く取ってある。アッパーデッキにはVIPスイートがある。
スカイラウンジはこれもまた広くてオープンなスペースだ。大型のL字ソファ、ホワイトバーにゲームテーブルにチェアがあり、モダンで落ち着けるスペースになっている。
外に出て後方デッキにいくとそこにはオープンで優美な多目的に使えるベランダがある。
バーにアルフレスコダイニングテーブル、左舷のラウンジ用デイベッドに右舷側のU字のラウンジソファ、そしてパノラミックなシーティングスペース。ラグジュアリーな雰囲気を堪能できる素晴らしいデッキスペースだ。
1デッキ上に行くとそこには広大なサンデッキがある。広大なラウンジエリアには多様なラウンジファニチャーが並び、ゲストはそれぞれ好きなように過ごすことができる。リラックスするには最高のスペースだ。デイベッドは真ん中に位置し、外の空気をエンジョイするにはうってつけだ。
前方へ行くと、対照的に設置されたラウンジスペースにはそれぞれL字のソファにサイドテーブルがある。横にはフラットスクリーンのテレビ、前方へ行くとバーにサンパッドに囲まれた大きなジャクジーがあり、そこからの眺めは最高だ!
このヨットの素晴らしいところは、14名のクルーが最高の乗務を行える環境だけでなく、チャータービジネスを真剣に考えた、安全性と高級感の完璧なバランスを兼ね備えたデザイン。オーシャン・パラダイス号は最高の「チャーターマシン」なのだ。
チャーター料は1週間で$300,000プラス諸経費。モナコグランプリやカンヌ映画祭などのプレミアムウィークは割高になるが、それでも夏場の地中海シーズンは既に予約でいっぱい。一年の利益はなんと3,600,000ユーロで、一年のランニングコストを賄える額だ。
私はシンプルなデザインでミニマリズムなスタイル、尚且つクールだが決して「冷たく」はないスタイルが好きだ。このヨットはグラマラスなスタイルでモダンで高級感に満ちた空間を提供している。
このスタイルはどのチャーターゲストにも受け入れられる成功例ともいえるだろう。これほど船名が似合うヨットは他にはないだろう。それが「オーシャン・パラダイス」だ。
スペック
全長:55.00m / 180'' 5"
全幅:9.60m / 31' 5"
喫水:2.90m / 9' 6"
重量:710ton
構造:Steel hull / Aluminum superstructure
エンジン:2 × CATERPILLAR 3512C
出力:2 × 1,765kW
スピード:Max 17kt
レンジ:4,000NM at 12kt
燃料容量:73,600L
清水容量:15,400L
オーナー&ゲスト:6cabins for 12
クルー:12
■プロフィール
ナイジェル・ビーティー:1969年、英国ベッドフォード生まれ。これまでにメガヨットのキャプテンとして、米国東海岸、バハマ、タークス・アンド・ケイコス、カリブ海、日本、中南米、地中海、インド洋、ペルシャ湾を航海し、航海経歴は30万海里以上におよぶ。現在、ヨットセールス、チャーター、コンサルティング、マリンパーツ販売を手がけるスーパーヨット・ロジスティックス(SYL)を日本人妻と運営。
今回ご紹介したメガヨットは、「Perfect BOAT」2016年3月号に掲載されています。