その名は、サエコ。 #東京悪女伝説 Vol.15

その名はサエコ:東京悪女破れたり...さすがのサエコも万事休す?

前回までのあらすじ

サエコを中心に、5人の女たちが繰り広げる攻防戦。 身近な女の、大富豪との熱愛発覚。 その時、女たちは何を思うのだろうか?

サエコへの嫉妬に狂った会社同期のさとみは、タクミとサエコの合コンを組み、サエコを陥れようとする。しかし、強すぎるサエコへの嫉妬から、女としての存在意義を確かめるため、タクミとの一線を越えてしまったが、タクミからの音沙汰がなく苛々が募る。

一方、地方局の女子アナ・アンは、サエコの彼氏と寝ることに成功。夜の才能を遺憾なく発揮し男を虜(?)にしたアンに、二度目の連絡が来て有頂天になっているが...

「私よりイイ男と結婚するなんて許せない。」心に潜んだ毒は女たちを狂わせていく...。

前回:策に溺れた女。サエコの逆襲が始まる......?


さすがのサエコも打つ術がない...?


—最高だよ。—

100m走を全力疾走した後のように、肩で息をしながら男が言った。ベッドの上で上半身を起こし、サンペレグリノを喉を鳴らして飲んでいる男の背中は、まだ4月だというのに、既にうっすらと浅黒く焼けている。

欧米では、豊かな者がバカンスを楽しんだ証として惜しげも無く太陽の刻印を肌に残すというが、おそらくこの男も、南の島でゆったりとバケーションでも楽しんだのだろう。もしかするとその相手は、サエコだったのかもしれない。

アンは、男の背中を見ながら、思わずクックッと笑いが漏れる。

灯りを消さない情事が常のアンは、男が喜ぶ角度で見上げ、男が快感に歪む顔を見下ろす。見せ方も達者なら、見られ方も抜群で、攻守交代となった途端に、先ほどまでの強気が嘘のように泣いてすがる。攻撃が高圧的で圧倒的であるほど、翻って女が組み伏せられたとき、男の万能感はあらゆる快楽を底上げすると知っているのだ。

相手が悪かった。と認めざるを得ないだろう。

聖子のいう夜の才能すら手に入れたアンの前には、さすがのサエコも打つ術がない。


「シャワー浴びてくるね。」

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