これは使える!最高のデートを過ごしたい2人へ贈る『東京トゥインクルディナー』
「なんだか、新婚さんの家にありそうなお皿だね」
と木村さんが言ったりするから、余計に照れる。でも、カップルシートで横並びだから、目線が合いすぎなくて気楽。それでいて体感的な距離は近い。
バー使いもできる席らしいから、この席は飲んでいるうちに手を繋ぎやすいはず。私と木村さんとの間は、まだ30cmくらい開いているけど。
そんなことを考えながら、芽キャベツとサルシッチャによる緑のパスタと、桜海老のラグーのパスタを頬張った。どちらも口の中で春の風味が広がって、さっき頼んだトスカーナの白ワインともよく合う。
メインディッシュが終われば、大人の男女ならこの次どうするか考えるもの
メインのお肉は“萬幻豚”ロース肉の炭火焼きとオーストラリア産牛ロースの炭火焼き。どちらのお肉も大きな塊で出てくるから、男の人がカットしてあげたらいいと思う。
木村さんも慣れた手つきでお肉を切ってくれて、ふたりで2種類の味を楽しんだ。特に萬幻豚は脂身が少なくてジューシーで、知らない銘柄だったけれどお気に入りに。
「やっぱり炭で焼いたお肉って美味しい!私、鉄板よりも断然好きだな」
「よかった。予約する時に料理がどんな感じか聞いたら、メインが炭火焼きと言ってたから決めたところもあって」
2時間のディナーはあっという間で、でもまだこの眺めとお喋りから去りたくないなという気持ちのまま、私は東京タワー方面を眺めていた。
東京には予約がとれない店や美味しい店がいっぱいあるけど、今日のデートはそういう場所とはひと味違う。誰に自慢するわけでもなく、昔から続く素敵な空間を知っているこの人は、センスがいいなと思った。
もしも付き合っているのなら、このまま非現実的なムードのまま、お部屋にチェックインしたいぐらい・・・、そんなことを夜景を眺めながらぼんやりと考えていたら
「ここ、昼の眺めもいいと思うんだよね。今度はランチにつき合ってくれたら嬉しいんだけど」
と木村さんがぼそっと言った。さっきまで考えていたことではあるけれど「今日、部屋取っておいたんだけど、どう?」な~んて言われたら、幻滅し、二度と会わないことになっただろうけど、こんな申し出は意外だった。
同じデート場所をシーン別で誘われるのも初めての経験だ。
「はい、ぜひ。これだけの高さがあって大きな窓が近くて、空中でピクニックしている気分になれそう」
私たちはその場でスケジュールを決めて、次はGWの初めにここで会うことを約束した。待ち合わせはまたホテルのロビー。
エレベーターもレストランも、ふたりの空気感も、昼だとどうなるのかが楽しみ。今年のGWは、穏やかな気持ちで過ごせそうな気がしてきた。
この恋、なんだかうまくいきそう。
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