魔法をかける秘密道具!あの超人気店のシェフ愛用の調理器具を大解剖

ミシュランの星付きレストランで活躍するイタリア人シェフは、一体どんな道具を使っているのか? 愛用の道具の使い方を尋ねると、シェフたちの料理哲学が浮き彫りになった。

ルカ・ファンティンのピンセット

10年選手のピンセットと和包丁は必須アイテム

まずお伺いしたのは、「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」のエグゼクティブシェフ、ルカ・ファンティン氏。
イタリア料理の伝統を再構築し、モダンに仕上げる氏の料理は、いつも軽やかで華やか。小さな花やハーブは、料理に香りを添えるだけでなく、シェフの独特の美を構成する要素としても欠かせない存在だ。

使用するハーブの大きさや色合い、そしてそれらを配置する場所によっても全体の表情が変化するため、盛りつけは慎重に行われる。その作業に欠かせないのが、ピンセットだ。

「お箸でもいいのでは?と思われるかもしれませんが、ピンセットのほうが集中して作業ができるんです。スタッフは1人1本、自分専用のピンセットを持っているんですよ。見込みのあるスタッフには、僕からプレゼントします」

コースのメインの魚料理の一例。活け〆のヒラメは、エレガントでデリケートな風味を損なわないよう、50度のオイルに15分漬けて低温調理でレア気味に仕上げ、魚介出汁のソースを添えたもの。バジルのソースに甘いトマトをのせた、爽やかな付け合わせと共に

道具を選ぶ際に重視するのは、機能性が高く、使いやすいこと。10年以上愛用しているピンセットは、実は歯科医用なのだとか。そんなシェフが10年前程の初来日時に目覚めた道具といえば、包丁である。

「日本では様々な種類の包丁を使い分けることを知り、包丁の大切さに気がついたのです。イタリアの料理人はあまり包丁のことを気にしないのですが、私は現在、和包丁5種と洋包丁1種、計6種を使い分けています。和包丁は片刃なので、きちんとした使い方を学びたいですね」

その向学心に脱帽しつつ、今後への期待が高まるのだった。

上.アメリカ製のグレーザー。左下.仕上げに必須の自分専用ピンセット。右下.活用頻度が最多のL字形ヘラ

繊細かつ甘美な料理を生み出す5つの道具

【アメリカ製のグレーザー】
レモンなどの柑橘類の皮をおろしたり、黒トリュフやペコリーノチーズ、パルミジャーノチーズを薄く軽く仕上げるのに使用する。ステンレス製で軽いため、お皿の上で作業しやすいところも気に入っているそう

【仕上げに必須の自分専用ピンセット】
花やハーブなど小さいものをつまんで盛りつけたり、デコレーションする時に必須のアイテム。合羽橋で見つけたこれは歯科医用。開き過ぎず、動きがしなやかなので、使いやすい、10年以上使っているそう

【活用頻度が最多のL字形ヘラ】
魚や肉をお皿に置いたり、ピュレをお皿に伸ばしたり、ラビオリの詰め物をすくう時に使う。金属の部分が柄から真っすぐに伸びているタイプもあるが、こういうL字形のタイプが一番使いやすいという

左.ハンドメイドの名前入り和包丁。右.メモのためのシャープペンシル

【ハンドメイドの名前入り和包丁】
包丁は、素材を正確に切るために欠かせないもの。現在、6種を使い分けているが、これは魚も肉も野菜も切れる和包丁。火の入った魚も、これで切れる。手入れさえすれば、ずっと使えるのもいい

【メモのためのシャープペンシル】
アイディアを書き留めるのに必要なのがコレ。ランニングの後などリラックスしている時に思い浮かぶことが多いので、忘れないうちに書き留め、後でスマホに入力する。シャーペンは0.5mmの細芯が好き

■プロフィール
ルカ・ファンティン 『ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン』エグゼクティブシェフ。スペインのミシュラン二ツ星店『アケラッレ』『ムガリッツ』で研鑽を積み、2006年、ローマで唯一の三ツ星『ラ・ペルゴラ』副料理長に就任。2009年11月より現職。イタリア人シェフとして日本で唯一、ミシュランの星をもつ。

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