2016.03.26
日比谷線の女 Vol.2前回までのあらすじ
過去に付き合ったり、関係を持った男たちは、なぜか皆、日比谷線沿線に住んでいた。
そんな、日比谷線の男たちと浮世を流してきた、香織の東京で初めてできた彼は、タワーマンションに住む飲食店経営者だった。香織はシンデレラストーリーを駆け上った気分に浸ったものの、その恋はわずか3ヶ月であっけなく終わった。落ち込んだのも束の間、若さを武器にまた恋人探しに奔走する。そんな香織が次に見つけた恋とは……?
日比谷線の女 vol.1:3ヶ月付き合った、愛宕グリーンヒルズ在住飲食店経営者による洗礼
23歳で上京して初めて付き合ったタワマン男から、手痛い洗礼を受けながらも、香織はせっせとタワマンパーティに繰り出していた。
33歳になった香織は左手の薬指で光る、ハリーウィンストンの婚約指輪「トラスト・リング」を見つめて、あの頃を振り返る。
—愛宕グリーンヒルズで、あの恍惚を味わってしまった私は、もうタワマン系以外の男と付き合うなんて考えられなかったのよね……。—
「せっかく東京にいるんだから、東京じゃなきゃできない恋愛と結婚がしたいの!」これが当時の口癖となっていた。
香織は、輝くダイヤの奥に、若さを振りかざしていた自分の姿を映し出す……。
◆
篤志と別れて3ヶ月、上京して半年が過ぎた頃。タワマンパーティでの振る舞いも板に付き、余裕が出てきた香織はタワマン男たちをこう分析していた。
地方出身。ナルシスト。肩書きアピールが激しくとにかく見た目が高そうな物が好き。そして、チャラい話をしていても、ひょんなことから一転、真面目な話に変わることがある。
株と為替の動向はもちろん、政治、経済、外交問題まできちんとニュースを理解していないと話せない、そんな話が急に始まることがあるのだ。
彼らはそんな話になった時「えー、わかんない……。」と上目遣いで見てくる女を、恋人には選ばない。ノリが良く、社会的常識と知性を兼ね備え、自立した女を求めていた。手本は銀華の由紀ママのような銀座の一流の女たちだった。
香織がタワマン男への傾向と対策を練っていたそんな時、新たに知り合い付き合うことになったのが孝太郎だった。孝太郎は広尾ガーデンヒルズに住む36歳の弁護士。
広尾ガーデンヒルズはセンターやノースなど5つの「ヒル」からなる、超高級ヴィンテージマンションだ。その中の最も広尾駅に近いA棟・イーストヒルの4階、1LDK家賃約40万の部屋に住んでいた。
香織の求めていたような最新のタワマンではなかったが、このマンションは、同等もしくはそれ以上の価値とブランド力を備えた住まいだった。
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