2016.03.09
その流通数の少なさから、稀少とされる牛や豚が存在することをご存じだろうか?日本全国の生産者がこだわりを持って育てる牛や豚の風味の豊かさは、まさに格別!
ここではそんな、東京でも滅多にお目にかかれない、一生に一度は味わてみたい“稀少肉”を食べることのできるお店を6軒ご紹介します。
心して味わいたい“美食の王様”が選ぶ
『ボニュ』の竹の谷蔓牛
日本在来の純血種で、現在のブランド牛の源流とも言われている“竹の谷蔓牛”。
飼育頭数はわずか15頭余り、年間に出荷されるのは1頭のみというこの幻の牛を、日本で唯一食べられるのがここ『ボニュ』だ。あの“美食の王様”こと、来栖けい氏が営む隠れ家レストランだ。
「この牛は、黒毛和牛だけど赤身が主体。純血種ならではの味の濃さも魅力」とは来栖氏。
写真は、そのイチボを300gの塊で約6時間、じっくりと火を入れたもの。噛みしめるほどに仄かな野性味のある肉汁が滲み出る。次回の入荷予定は8月か9月とのこと。要チェックだ。
“真心”の相乗効果で肉はさらに美味しくなる!
『イルジョット』の愛農ナチュラルポーク
「肉を選ぶ基準は、育った環境が明白なこと。大切に肥育された牛や豚は、風味が格段に違います」というのは、駒沢『イルジョット』の高橋直史シェフ。3年前に信頼を置く精肉業者の紹介で愛農ナチュラルポークに出合い、ピュアな味わいの虜になったという。
じつは、腕利きのシェフを夢中にさせる豚の“育ての親”は、三重県にある愛農学園農業高校の生徒たち。彼らの愛情をたっぷり受けて育った豚は、その純粋な心が投影されたかのような無垢で清い風味を持つ。
時間をかけて丁寧に焼かれた愛農ナチュラルポークの炭火焼はふっくらと柔らかく、脂はどこまでも爽やか。
旨みが凝縮されたトスカーナのワインと共に、心洗われる風味を楽しみたい。
赤身の旨さにこだわり巧みな火入れで魅せる
『ビストロ シンバ』の見蘭牛
フランス各地のレストランやビストロで10年間を過ごした菊地佑自シェフにとって、牛肉とは、すなわち“赤身”。
『ビストロ シンバ』では北海道の短角牛、土佐や熊本のあか牛など、さまざまな牛を使っているが、選定基準となるのは「赤身の美味しさ」だと言う。
最近の菊地シェフのお気に入りは、天然記念物にも指定されている見島牛の血統を持つ見蘭牛。
じっと火を入れ、ゆっくり休ませながら焼き上げるイチボを噛みしめれば、エネルギッシュな赤身の旨みが口中で弾け、静かな波が寄せるように脂の余韻がスッと広がる。
生命力あふれるローズマリーの香り、ジューシィでデリケートなナチュラルワインの風味と共に、その美味の記憶は、何度でもよみがえる。
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