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東京DINKS Vol.6

東京DINKS:元カレを前に、薬指を隠す女の心は後悔か欲望か

※本記事は、2016年に公開された記事の再掲です。当時の空気感も含めて、お楽しみください。

前回までのあらすじ

結婚後、子どもを持たない生活を選んだ太一と愛子。結婚前と同様に時間とお金を自由に使い、お互いを尊重し干渉しない暮らしに満足している2人。

クリスマスに偶然、元カレ・寛と再会した愛子は、もう一度寛に会いたい気持ちを抑えていたが、夫・太一の浮気に勘づいて自分も寛に会うことを決意した。

東京DINKS第5話: 昔日の思い出の箱を開けることは許されるのか

あれ、嘘ですから。「生理が来てない」なんて。

太一さんは「クリスマスは葵と過ごすから」って言って確かに一緒にいてくれたけど、年末年始はずっと奥さんと一緒にいるんだって思うと何だか急に悔しくなって…。奥さんといても私のことを考えてくれるように、嘘ついちゃった。

でも大晦日に、友人たちの飲み会に誘われて行ったら、その中にすごくタイプの人がいたんです。飲み会も楽しかったから、その時は太一さんのことがどうでもよくなっちゃって。自分の中にどす黒い感情を溜めたまま年を越すのも、縁起が悪そうだなって思って「大丈夫だったよ」って太一さんに連絡しました。ちなみに、その時いいなと思った彼と、今度デートするんです。太一さんのことは好きだけど、深入りしないように気をつけてますから。

あ、それから「クリスマスにもらうティファニー」も経験済みですよ。

男の人って、女の「初めて」っていう言葉に本当に弱いですよね。

「こんなに綺麗な夜景を見たのは初めて」、「こんなに美味しいお肉を食べるのは初めて」、「こんなに素敵な割烹料理屋さんに連れてきてもらうのは初めて」とか、他の男の人に連れて行ってもらったことがあるレストランでも、とにかく「初めて」と言って感動した素振りを見せればすごく喜んでくれる。私のために高いお金を払ってくれるんだから、それくらいのリップサービスはしますよ。

太一さんは子どもを持つ気は無いらしいんだけど、それって私には理解できない。やっぱり子どもは欲しいし、そのためにも結婚したい。逆に、子どもを持つ気がないのに何でわざわざ結婚するの?子どもがいないなら、恋人同士でいるのがベストだと思うんだけどな…。

私は、結婚はまだあんまり考えていなくて、30歳ぐらいではしたいなって漠然と思ってます。でも、結婚してる先輩たちを見て、2年先の約束もできる人がいるのが、羨ましく思うようになりました。

あ、ちなみに私、六本木一丁目にある広告会社に勤めているんですが、この界隈に住む人たちのお金持ちレベルって本当にすごいんですよ。ホテルみたいなタワマンがいっぱいあって、外国の大使館が多いから当然外国人も多い。私が入社する前は、アークヒルズのカフェにサッカー日本代表の当時の監督がいつもいたらしいです。

私、将来はこの街に通うんじゃなく、ここに住める人間になりたいんです。だから結婚相手は、高スペックで浮気しない人を探さなきゃ(笑)


会社にも素敵な人はたくさんいますよ。年上の人はやっぱり落ち着きがあるから憧れますね。特に、海外赴任から戻ってきた人は、ずっと日本にいる人よりも対応がスマートというか、何をするにも「こなれ感」が出てます。

一人、すごく好きな男性の先輩がいるんです。社内でも人気があるんだけど、40手前でまだ独身。なんでもシンガポールへの赴任が決まった時に、当時付き合ってた彼女にプロポーズをしたけど断られたんですって。あんなにいい男を振るなんて本当にもったいない。今頃後悔しているかもしれませんよね。

そういえば先週、有名なタレントの不倫が発覚してすごく騒がれていましたね。
あれを見ながら、「俺は結婚してることを先にきちんと伝える主義だからね」なんて得意気に言ってる太一さんを見たら、奥さんが哀れに思えてきました。
あなたの知らない所で、旦那は若い女相手にくだらない自慢をしてますよって。

こんな人とは結婚したくないですね、絶対。
帰る家を持っている男は強いし卑怯ですよ、悲しいくらいに。

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国内で360万世帯いるといわれる、意識的に子どもを作らない共働きの夫婦、DINKS(=Double Income No Kids)。東京のDINKSの生態を描いていきます。

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