香港ガールの野望 Vol.6

香港ガールの二面性に惹かれた、やり手弁護士の真実

前回のあらすじ

東京女子・マリと扮した香港人マギーの真の野望は、「極上男との結婚」だけではなく、自分の夢を叶えるために最適なパートナーを得ることだった。イギリス留学時代に知り合った東京に住む親友・ナオミにそうカミングアウトしたマギーは、裕二の待つ高級広東レストラン『赤坂離宮 銀座店』へと向かった…

前回:香港ガールの野望 Vol.5:「極上男との結婚」の先に見据える、香港ガールが抱く東京での真の野望

―そういえば、東京で広東料理を食べるのは初めてかも…

午後8時。バーニーズNYの入っている交詢ビルディングの5階にあるレストラン『赤坂 離宮銀座店』に行くためエレベーターに乗ったマギーは、ふとそんなことを考えた。

広東料理は、香港でよく食べられている主要料理の一つ。東京の、それも高級レストランで食べる広東料理はどんな味がするのだろうか。

―裕二さんの「大事な話」も気になるけれど、東京の高級レストランで食べる「広東料理」の味も多いに好奇心をそそられるわ…

期待に胸を膨らませてエレベーターを降りると、「広東名菜 赤坂璃宮」と書かれた看板が壁一面に掛けられているのが目に入った。

「ご予約はされていらっしゃいますか?」

裕二の名字「宮本」を告げ、ウェイターに続いて狭い通路を進んでいく。案内されたのは、通路の左に並ぶいくつかある個室のうちの一室だった。渋みのある木造の部屋に、古代中国の諺が刻まれた書画。

―浮ついた華やかさなど微塵もない、落ち着いた空間…

「マリちゃん」

中に入ると、入口を背に座っていた男性が上半身をこちらに向けて微笑んだ。ルイジボレッリのシャツにISAIAのジャケット。腕には相変わらずのロレックスが輝いている。

「裕二さん…」

シンプルながら上質感漂う私服姿の洗練された格好良さに、マギーの胸が高鳴る。

「突然だったのに、来てくれてありがとう。」

そう優しく微笑む裕二に「お誘いいただきありがとうございます」と頭を下げると、マギーは彼の隣の席に腰掛けた。

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