都内名店を知り尽くしたグルメのプロが選ぶ『私のとっておきの名店』6選

臭豆腐の辛味煮込み。臭豆腐は、メニューは一例

驚きと興奮に満ちた中国料理のテーマパーク『黒猫夜 銀座店』

銀座

「あそこにはマニアックな中華料理がある」と、10年以上も前から話題の『黒猫夜』が、2013年、銀座店をオープン。

鴨あひるの舌や脳みその炒め物、山羊バラ肉の塩茹で、豚の腸の1本揚げ…など、メニューの一部を見ただけでいかにディープかが理解できるだろう。可能なかぎり現地に沿った食材を用い、その地に根付く発酵調味料をベースに味付けした料理は、どれも驚きと興奮に満ちている。〝中華料理のテーマパーク〞という店のコンセプトに思わず納得。

全18種の紹興酒「スーパーきき酒」。この状態で目の前に運ばれるので、誰もが歓声を上げるそう

さらに特筆すべきは紹興酒の品揃えだ。他では味わえないものばかりだが、「スーパーきき酒」(全18種)はぜひ挑戦すべき。

料理とともに、この店ならではの迷宮に足を踏み入れてみよう。

水蓮菜の樹子炒め・水蓮菜は台湾の野菜で、長い茎が食用にされる。樹子(シューズ)という果実を発酵させた調味料とともにさっと炒めるのが定番

【推薦者はこの人!】
小寺慶子(フードジャーナリスト)

「鴨の舌、山羊の鍋などのマニアックな中国料理が堪能できます。紹興酒18種の「スーパーきき酒」は、飲む前からアゲ状態に。赤坂、六本木の2店舗は予約がとりづらいけど、銀座店は今のうちなら大丈夫かも。」

トラフグのカルパッチョ。にんにく醤油とピーナッツ油で和える。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例

銀座で頂く廣東式ふぐ料理
『銀座芳園』

銀座

銀座7丁目の中でも異彩を放つ「第2新橋会館」。2014年、その6階にオープンしたのが『銀座芳園』だ。こちらを率いるのが、広東料理一筋20年以上の横尾博志氏。前任のウェスティンホテル東京『龍天門』では広東料理のトップシェフ陳啓明氏のもとで腕を磨いてきた。

供されるのは広東料理のマナーに忠実な素材を活かした料理。中でも特筆すべきはふぐを使ったメニューの数々。中華には珍しくふぐの調理師免許を持つ横尾氏。海鮮を得意とする広東料理だけに扱いはお手のもの。

豚トロのセロリーソルト焼き、奥が叉焼

にんにくの香り際立つ「フグのスパイシー揚げ」は、供された瞬間に理性が崩壊しそうな危うさを秘めている。にんにくはミキサーで水とともに粉々にした後、水を絞って揚げることで臭みをなくし、香りを立たせる。口に含めば、フリットのような軽めの衣がフワッと消え、微かに紹興酒を含ませたふぐの主張がはじまる。かたや「トラフグのカルパッチョ」では、松の実や水菜、ごま、カシューナッツを合わせ、ふぐのムチムチっとした食感を際立たせる。

目標は「銀座で一番になること」と意気込む横尾氏。熱き獅子の挑戦に今後も目が離せない。

全席が半個室として利用できる

【推薦者はこの人!】
大槻篤(東京カレンダー編集長)

「大切な方を接待するには場所と個室が大切。加えて、食べたことのない料理で驚いてもらいたい。こちらは「龍天門」にいた横尾シェフが開いたということで信頼度も高く、中華で“ふぐ”という意外性がいいですね。」

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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