前回までのあらすじ
34歳、既婚者の“私”は、同じ会社に勤める妻子持ちの結城に好意を寄せている。1週間前に不意打ちでキスされるものの、未だ結城の本当の気持ちがわからない。今夜行われる社内イベントで会えるかもしれないと思い、迷いつつもメールをしてみると、欠席してビリヤードをするから良ければ来ないかと誘われ、銀座へ向かう。
第4話:8分19秒
結城さんがいつの間にか心の深層に存在していた。それは今や確かな事実だ。例えると、それは深い森の奥に潜む小さな泉のようなものかもしれない。誰にも気付かれることなく、沸々と静かに湧き出てきた小さな泉。一週間前、そこに一粒の水滴がぽつんと落ちてきて、ゆっくり音もなく徐々に波紋が広がっていった。......
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