東京☆ビギナーズ Vol.3

東京☆ビギナーズ:「私、社長系にしか抱かれないの。」六本木の悪夢

前回のあらすじ

大阪で生まれ育ち、とあるインターネット広告代理店の大阪支社で働いていたシンゴ(28)は、社会人6年目で突然の東京転勤に。東京で6年振りに会った大学時代の後輩「優子」との合コンは惨敗。PR会社に勤務し、すっかり都会に染まってしまった彼女に、完膚なきまでにセンスの無さを叩きのめされることとなった。そんなシンゴが少しだけ東京に慣れてきた頃のお話。

東京☆ビギナーズ第2話:決戦は金曜日。「ご飯が普通。こんな合コン嫌」と麻布十番で言われた衝撃。

TK Kurikawa / Shutterstock.com

「結果にコミット」は、仕事だけだとつまらない。


「いや、だからそれだと、せいぜい担当者レベルでOKしか出ないですよ。この業界それだと、要するに何も決まらないに等しいのは常識ですよね?」

淡々と企画のダメ出しをしているのは、東京に来てちょうど二か月の広告営業マンのシンゴだ。外注先から上がって来たWEBのPR企画が、クライアントのキーマンが求めているものと微妙にズレているのを感じ取り、華麗にデザイナーを仕切っている最中であった。

何せ、彼が東京に来てから初めて受注した仕事なのだから、企画に何時にもまして熱が入る。当たり前だが、営業は売って終わりではない、というのが彼の強いポリシーであり、営業部門のホープとされる所以でもある。

―仕事は今のところ、順調なんやけどなぁ…。―

少しずつ東京に馴染んで来た彼にも、悩みがあった。

先日の麻布十番での合コンでは、イケてない店のチョイスについて、後輩の優子に完膚なきまでに叩きのめされたばかり。それもあってか、一向に仕事以外の…特に女性関係に関しては良い機会がなく、営業職にあるまじき非リア街道ど真ん中を爆速で進んでいた。

むろん、そういった少し素朴なところも、彼の良さではあるのだが。

悪魔のささやきに今、心揺れて…。


深夜までの企画の修正を行って、会社を出たのは午前1時。
ふとLINEを見ると…例の優子からだ。


深夜残業明けに飛び込んできたイラっとする文章に、既読スルーを決め込む。

『その様子ではまだまだ…みたいですね(笑)いいですよ。せっかくなんで、私が先輩の東京ビギナー卒業を人生の片手間にプロデュースしてあげますよ!』

―ぐぬぬぬぬぬ…。―

かわいいはずだった後輩からの挑戦的な連続メッセージに、もはや、愛しさも切なさも心強さもなく、ただあるのは悔しさだけであった。

『先輩が前の合コンでお気に入りだった同僚の玲子も、私にかかれば攻略間違いなしですよ。』

とどめの一言に、彼の中で何かがはじけた。

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