日が短くなったのをしみじみ感じる夕方過ぎ。酒場の提灯や看板がぽつぽつと灯りを点す。
この灯りが呑んべえにとってのお宝ならば、大塚は宝の山。通りに、路地裏に新旧大小の名酒場が並ぶ酒場タウン。
そんな中でも、"三業通り"は花街としての面影が色濃く残る場所で、お座敷遊びもできる?!一風変わった面白い店もあるのです。
名酒場が立ち並ぶ花街
大塚・三業通り
三業通りは酒場天国、大塚の中でも呑ん兵衛に人気のエリア。
三業とは「料理屋」「芸者置屋」「待合」が許可されたいわゆる花街のこと。神楽坂や浅草が有名ですが、大塚にも戦前の盛期には700人もの芸者がいたとか。もちろん今でも、夜遊びにもってこいの店が立ち並ぶ現役の花街である。
さてさて、どんな酒場と巡りあえるのか?
まずは、お座敷遊びもできる?!『鳥信』で焼き鳥をアテに一杯
地図A
三業通りに入ってすぐの場所には、良心的な価格でお座敷遊びができる穴場、鳥料理『鳥信』が。
1階はテレビがある庶民的なカウンターで、気軽な1人酒にも最適。鳥すき、水炊きも1人前からオーダーできる。よく焼きの焼鳥も正しい味。オリジナルラベルの紫芋焼酎と合わせてぜひ。写真の焼鳥盛り合わせ(5本)を食べながら、お座敷デビューを夢見てカウンターで1杯。
芸者も御用達!老舗カウンター割烹『松し満』で、三業通りの古き良き話を肴に一杯
地図B
さらに進むと、創業は昭和23年で、2012年にカウンター割烹として移転リニューアルした、かつての芸者連も御用達の店『松し満』の看板が。
料亭時代には某有名外国人F1レーサーはじめセレブリティもお忍びで来店したとか。料理は小鉢、お吸い物、刺し盛りなどすべて単品でオーダーできる。小鉢¥300~、前菜¥500~とお値段も居酒屋並み。四季折々のメニューも数多くあり、写真は桜蒸し¥600で季節限定。
御主人は通りの生き字引的存在で、三業通り華やかなりし時代の話を聞きながら飲むのが乙です。
〆は『29Rôtie』でとろける脂の生ハムを燗酒で堪能!
地図C
大塚三業通りの奥では、住宅街に程近くまるで隠れ家のように佇んでいる『29Rôtie』を発見。
ここは、大塚の名酒場等で修業した店主が2012年オープンした生ハム、タンドール料理を出す酒場。酒は純米、ワインは日本、フランス、イタリアと自然な造りのものを吟味して揃える。生ハムは成城学園前『サルメリア69』で仕入れ、切りたてを提供。とろける脂を燗酒で流す愉楽たるや。
生ハム3種盛り合わせ¥1,500と燗酒の新たなマリアージュをじっくりと堪能し、家路へと向かう。
かつて花街として名を馳せ、一時代を気付いた大塚・三業通り。もちろん今でも、通りを歩けば芸者さんを見かけることもあるし、どこか華やかで雅やかな空気が漂っている気もする。
美味しい酒場も数多くあり、今夜の一杯にお散歩がてらいかが?
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
この記事へのコメント
コメントはまだありません。