2015.07.23
“人知れず”を貫いた名店の離れ『麻布 心月』
春の「花山椒鍋」から秋の「鱧松焼き」。そして冬には「間人蟹」等々、四季を彩る名物料理で定評のある和食の雄『麻布 幸村』。
ミシュランの三ツ星にも輝くこの店に、常連客のみぞ知るシークレットなスペースがあることをご存知だろうか?
4階にあるおばんざい『麻布 六角』のこと……ではない。さらにその上、6階に看板も無く、小ぢんまりとした空間。そこが『麻布 心月』である。
人知れず店を開けたのは’09年9月。おまかせコースのみの『幸村』とは、趣を異にする和食店をやってみたい。そんな想いが店主・幸村氏の胸の内に芽生えた。
『六角』ほどカジュアルになり過ぎず、『幸村』よりはプライベートで寛げる雰囲気……。そう、幸村氏自身が頭に描く「自分が行くならこんな店」を実現したのが『心月』という店なのだ。
スッキリとして品の良いカウンターは、どこか往年の割烹料理店を思わせる。献立表を見れば“甘鯛”、“伊賀牛”、“黒豚”など素材を前面に押し出した構成が印象的だ。各々、酒蒸し、炭焼き、カツレツといった調理法を記してあるものの、これはあくまで目安。
素材さえあれば、献立に無い料理を作ることも厭わない。客とのやりとりから即興料理が生まれることもしばしば。客は、自分の好きなものを好きなようにアラカルトで楽しむ。これこそが、ここ『心月』の醍醐味なのだ。
とはいえ、それも客と料理人双方の技量とコミュニケーションがあればこそ。隠れ家たる理由もそこにある。まずは(本店の)『幸村』に来ていただき、互いのニュアンスを分かりあってから次の段階で……という幸村氏の想いも宜なるかなだろう。
そしてオープンから年月も経った今、一見の客にも来てもらえるだけの“ゆとり”も生まれた。
ちなみに、花山椒鍋などの名物料理のトップシーズンには、『幸村』の離れ的な場所に早変わり。このフレキシブルな感覚も隠れ家たる所以なのかもしれない。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
この記事で紹介したお店
麻布 心月
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