レストランで恋のシーソーゲーム(MAN) Vol.3

レストランで恋のシーソーゲーム
第3話:『Bar Rage』あまおうのミクソロジーカクテル

「この近くにミクソロジーカクテルを出すBARがあるんだ。今の季節だとあまおうが美味しいんじゃないかな。寄ってかない?」

最初のデートでは二軒目の誘いをあっさり断られて結衣に帰られた。しかし、僕はいつの日かのために入念に下調べをしており、BARに詳しい友人の村上にお勧めの店を聞いた。

「あの店の個室はいい。口説くときにはもってこいだ」

村上の教えに従って選んだ『Bar Rage』は南青山七丁目のグルメストリートの一角のビルの2Fにある。看板も出ておらず、ドアを開けると長いカウンターが出迎える。その奥に個室が3部屋あり、僕らが入った部屋はロッジのような温かみのある部屋で、ローテーブルを短めのソファーと長めのソファーでL字型に囲んでいた。使ったことはないがテラス席もあり、夏は気持ちよいだろう。

ミクソロジーとは「mix(混ぜる)」と「~ology(科学)」を組み合わせた造語。リキュールやフレーバーシロップを一切使用せず、旬な果物やハーブなどとスピリッツを組み合わせる、素材の良さを引き出すカクテルをミクソロジーカクテルと呼ぶ。

果物を敬遠する女性はまずいない。ただ単にBARに誘うより興味を示すやすいはずだ。西麻布のBARは他にも複数下調べしたが、二軒目の誘いに応じる成功確率を少しでも上げるために、ミクソロジーカクテルを出す『Bar Rage』を切り札として選択した。



結衣は笑顔で頷き、二軒目についてきてくれた。なんとか、第一関門をクリアした。

店内に入り、バーテンダーに個室が空いているかを確認する。あのロッジの個室が空いている。迷わずそこにした。

「この照明、ドンペリのボトルを組み合わせてるのかな?」

結衣は一軒目から引き続き機嫌が良さそうだ。バーテンダーが来て注文を取る。3月という季節柄、おすすめされたの果物はやはりあまおうだった。白いスカートを穿くような清楚な外見の結衣にお似合いだ。

「あまおう、大好きなの」

10分後、綺麗な色のミクソロジーカクテルがやってきた。乾杯し、ものすごく美味しそうな表情をして、結衣はカクテルを飲む。

「そっちの、キウイのもすごいおいしそう!」

無邪気に僕のカクテルまで味見する。ドタキャンしたり、大幅に遅刻したりもするけど、目の前で喜ぶ彼女を見ると満たされた気持ちになりかけた。


結衣がトイレに席を立ち、ドアを開けたその時だった。

「・・・結衣ちゃん?」

男の声が聞こえた。

そして僕は、石になった。

■レストランで恋のシーソーゲーム(WOMAN)第3話:セカンドデート延長戦 2軒目で訪れた春の嵐?


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