男と女の答えあわせ【A】 Vol.329

見た目も年収も完璧なのに。32歳外コン男がデートでやらかした「即アウトな会話」とは

三浦マキ

A2:元カノと比べられ、“審査”されている気分になった。


2週間後、代官山にある健斗の行きつけのビストロで二度目のデートをした。

前回のこともあり、今日は私からも少しずつ話してみようと決めていた。ワインが進むにつれて会話も弾み、「やっぱり前回はたまたまだったのかも?」と思い始めていた。

しかし、そんな淡い期待は、ある一言で崩れることになる。

「真凛ちゃんって、自炊とかするの?」
「はい。平日は遅いことも多いので、週末にまとめて作り置きをしています」
「そうなんだ!偉いね。前の彼女なんて、全然料理しなかったから。家に帰っても何もないし、たまに作ったと思ったら、不味いし(笑)。やっぱり付き合うなら、料理上手な女性がいいよね」

二度目のデートで元カノの話をする必要は、何もない。

「そうなんですか?」
「元カノは仕事もそこまで忙しくないのに、家のことは全然でさ。それに比べたら、真凛ちゃんは仕事も家のこともちゃんとしていて、本当にすごいよ」

そして、元カノや元奥さんなどのことを悪く言う男性は、信用できない。

もし仮にこの後私と付き合って別れたら、こういう男性は、絶対に自分を悪者にせず、私のことを貶しまくるだろう。

「そんな、普通ですよ」

健斗は元カノと比較して、褒めているつもりなのだろう。でも、私はちっとも嬉しくなかった。


“元カノより上”。それは裏を返せば、私も同じ物差しで測られているということ。

料理をするから、合格。じゃあ、もし私が料理をしなかったら?仕事がもっと忙しくなって、作り置きをする余裕がなくなったら?

きっと次の彼女の前で、私は“全然料理をしなかった元カノ”として語られるのだろう。

それでも、私はもう一度だけ、自分の話をしてみようと思った。

「そういえば、来月有休を取って旅行しようと思っているんですけど…」

しかしその瞬間、テーブルにある健斗のスマホが光った。

「ごめん、ちょっと出るね」

そして健斗は、私の言葉を最後まで聞くことなくすぐに席を立った。

一人残されたテーブルで、冷めていくメインの皿を眺める。10分…。スマホをいじりながら待っていたものの、とても長い10分に感じる。

健斗からすれば、どうでもいい話だったかもしれない。私が有休を取ろうが、取るまいが彼には関係ないことだから。

「ごめんごめん。で、何の話だっけ?」
「あ…いえ、大したことじゃないので」
「有休取るの?」

一応、聞いてはいたらしい。でもこの後の健斗の会話で、私はすべてを悟った。

「はい、旅行しようかなと思って」
「へ〜いいじゃん。仕事は忙しくないの?有休取れるの、いいね。俺、最後に有休取ったのはいつだろう」
「忙しいんですね」
「プロジェクトが終わったら、ちょっと落ち着くかもだけど」

普通、相手が「旅行する」と言ったら、「どこへ行くの?」とか、そういう質問をしないだろうか。

彼は、一見話を盛り上げているように見える。でも、たぶん私の話は実際何も聞いていない。すべては、自分の話をするための布石でしかないように感じる。


店を出ると、夜風が少しだけ冷たかった。

「次は、どこ行こうか。来週は出張だから、再来週かな」
「…はい。また連絡しますね」

私の予定は、一度も聞かれなかった。

タクシーに乗り込み、窓越しに笑顔で手を振る。でも車が走り出した瞬間、どっと疲れが押し寄せてきた。

健斗は、悪い人ではないと思う。きっと仕事もできるし、彼なりに一生懸命、私に向き合ってくれていたのだろう。

でも、質問は自分の話への前振り。褒め言葉は元カノとの比較。アドバイスは、私の専門分野への上から目線。そして、私が話し始めた途端にスマホを触る…。

若干、失礼だ。

それに私が付き合いたいのは、すごい人じゃない。私の話を、ちゃんと向き合って聞いてくれる人だ。

女は、話を聞いてほしい生き物である。その点、健斗では物足りない。

そう思って、私はあのLINEを送った。


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健斗は上から目線で自分中心の俺様タイプ、真凜みたいに第一線で働く女性が結婚したら不幸になること間違いなしなので、お見切り案件で正解ですね

ただ、年収それなりにあってお互いを思いやれる素敵な男性は20代でどんどん結婚していくから、出会い増やしていかないとなかなか結婚出来なさそう
2026/11/01 08:391

男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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