男と女の答えあわせ【A】 Vol.325

鮨店で割り勘? 2回目のデートで見えた、38歳経営者男性の“ダサさ”とは

三浦マキ

A2:すべてが自分本位。モラ男の都合のいい解釈に完全に冷めた。


二度目のデートも、恵比寿だった。雄大の行きつけだという鮨店に連れて行ってもらったのだけれど、席に着くと、雄大は大将に軽く声をかけた。

「今日は大事な人だから、いいネタ頼みますよ」

大将は苦笑いしていたけれど、この一言から始まり…。この二度目のデートで、彼に感じていた違和感がハッキリと形になっていくことになる。

まず、注文する際、私のオーダーを勝手に決めてきた雄大。

「大将、二名分おまかせで。あと追加分も、いつものでお願いします。麻里子ちゃんの分も、僕と一緒の物で」
「あ、そういう感じなんだ」
「うん。ここは、美味しいものしか出さないから安心して」

― いや、そうじゃなくて。私の意見は?


そもそも、この時点で言いたいことはあった。せっかくならば、自分の好きなネタを追加では食べたい。

しかし心の中で、葛藤もある。

― 今日はデートだし、雄大さんの行きつけのお店だし…。ここは顔を立てるべきなんだろうな。それに、雄大さんのお支払いだったら、私に言う権利はないし。

そう思ったので、黙って従うことにした。

しかしお会計になった時、私は耳を疑ってしまった。

「そうだ、今日は割り勘にする?この前女の子の友人に、『男が全部払うのは失礼だ』って」

一体誰に何の意見を聞いたのだろうか。

“女の子の友人”とは、誰なのかもわからないけれど、その女性が言いたいことと、雄大の解釈はまったくかけ離れている。

「そうなんですか?もちろん私は割り勘でも大丈夫ですけど」

割り勘でも、構わない。

しかしそうならば、好きな物を自分で選んで食べさせて欲しい。

割り勘とは、そういう“自由を手にする権利”との引き換えのようなもの。

雄大のいう“割り勘”とは、スジが違う。

これでは、雄大の自分勝手な行動に付き合い、ただ私がその分のお金と気遣いまで払った形だ。


店を出ると、雄大はさらに続けた。

「次は、もう少し遠出とかもいいかもね。箱根とか?泊まりじゃなくてもいいから、美味しいご飯だけ食べに行く旅とか最高じゃない?」
「贅沢な大人のプチ遠足って感じですね」
「そうそう!じゃあ、日程見て連絡するね。僕の方で店探しとくよ」

私の予定も、私の希望も一切聞かれないまま。また一つ“決定事項”が増えていく。

― この人と付き合ったら、私の意見なんて一生反映されないんだろうな。

そう悟った瞬間、もう答えは出ていた。とにかく早く帰りたくて、話しながら自分で配車アプリでタクシーを手配し、さっさと乗り込んだ。

これで2軒目へ行く流れになったら、最悪だ。時間の無駄もいいところだから。

「じゃあ雄大さん、また」

「また」と言ったのは、完全に社交辞令だ。本心では、もう二度と誘われたくないと思っていた。

お会計の時だけ、急に男女平等を持ち出してくるくせに、店員さんへの態度も、メニューの決め方も、次の予定の決め方も私の意見なんて全く聞かず、全部彼が一人で決めている。

都合のいい時だけ対等さを持ち出して、それ以外は完全に自分が上に立つ。

これこそが、雄大の本質だと思う。

会計は割り勘でいいと思っている。それは本当に、私も対等でありたいから。

でも、自分にとって都合のいい部分だけ平等を掲げ、他のすべてを一方的に決めていく男の人は、モラハラ気質の人間だと思う。

今は良いかもしれないけれど、この先何十年も一緒にいたら、私はきっと自分の意見を言うことすら諦めてしまう。そう思ったら、怖くなるし、シンプルに人として終わっている。

だから私は、既読はつけても返信をしないことに決めた。


▶【Q】はこちら:「まだ22時半なのに…」盛り上がっていたデートでも、女性が1軒目で帰る心理とは?

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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出会って三度目のデートで、男が見た女の“豹変”とは?

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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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