Q2:何度もデートする。けど彼女ではない。その理由は?
この日は昼間がとても暑かった。でも夕方になると少し風が出てきて、ディナーの後、まだほんのり熱気が残る目黒川沿いを一緒に歩いた。
今日は頑張っておしゃれをしてきたから、肩に紐がついたワンピに、ちょっとだけヒールのある靴。歩くのには少し不向きな服装だったけど、「歩こう」と太陽が誘ってきたので、嬉しかった私は素直に従う。
「今日も楽しかったな〜。太陽くん、ありがとう」
「こちらこそ。明日香ちゃん、寒くない?」
そのタイミングで太陽がさりげなく私の手を握ってきた。
驚いて思わず固まってしまったけど、太陽は何事もなかったように歩き続けるから、私もそのままついて歩く。
― これって…。私のこと少しは好きってことだよね?
「好き」とか「付き合おう」とか、そういう言葉は一度も出てこない。でも、この手は意味するのだろうか。
そしてこの日も、何事もなく中目黒の駅前で解散となった。
◆
― 私たち、今どういう関係なんだろう。
そう思い始めたのは、3回目に会った時だった。
3回目は、22時から恵比寿のバーで落ち合った。私が外で飲んでおり、太陽に連絡したところ、たまたま近くにいたので急遽会うことになった。
カウンター席に並んで座り、ふたりでグラスを傾ける。
毎回、会話は弾む。
好きな映画の話、子どもの頃のこと…気がついたら2時間が経っており、「こんなに話せる人、久しぶりだな」と思ったタイミングだった。
お酒の力を借りて、ずっと聞きたかったことを思い切って聞いてみることにした。
「太陽くんって…今、彼女いるの?」
すると太陽は少し間を置いてから、こう言った。
「彼女はいないよ。一応マッチングアプリはまだ入っているけど…でも、最近は全然見てないな」
嘘か本当かはわからない。でも「アプリを見なくなった」ということは、それはつまり、私とのことを前向きに考えているということだと受け取った。
「そうなんだ」
「彼女は欲しいと思っているんだけどね」
この太陽の言葉に、また私の胸はギュンっとなる。
― 彼女を探していて、私に定期的に会うということは…。
これはかなり私に向いていると思う。
こんな感じで毎回希望を積み上げて行ってくれる太陽とは、この後も定期的に会う関係になっていく。
でも、三ヶ月経っても私たちの関係は何も変わらなかった。
付かず離れずの関係で正式な“彼女”になれていない。でも定期的に会っているということは、太陽も私のことが気になっている、ということで間違いはないと思う。
― 今は仕事が忙しいと言っていたし…。もう少し待てば、きっとちゃんと向き合ってくれるんだろうな。
そう信じながら、今日も私はスマートフォンを握りしめている。
既読スルーの3日間を経て届いた、「元気だよ」のひとこと。
― これを、脈なしと呼ぶのだろうか。それとも、私が信じたいだけ?
太陽は、私のことをどう思っているのだろうか。
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定期的に会うのに正式な関係にはならない…男は一体、何を考えている?







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