「私が細木数子さん?」最初は到底できないと思った戸田恵梨香。 覚悟を決めたきっかけは?
『新栄記 東京店』は、中国全土で20軒以上を展開し、ミシュランの星も多く獲得するブランドの海外初支店。
大物との会食にも最適な店に、戸田恵梨香さんをお招きした。Netflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』の世界では大先生だ。
絶対に失敗できない会食が、いま始まる。
「私にも細木数子との共通点がある」。二兎を手に入れたい女優・戸田恵梨香の計り知れぬエネルギーとは。
細木数子が来る。試写で『地獄に堕ちるわよ』を観た後の戸田恵梨香さんの取材は、そんな妙な緊張感が漂っていた。それほど余韻が強烈だ。しかし、赤坂に現れたのは、真逆のキャラのようなチャーミングな戸田さん。
「お魚が美味しすぎて完食しちゃいました。2尾いけます(笑)」
『新栄記 東京店』をこちらの想像以上に満喫。では、もしも同店が会食の舞台だったら?
「感動します。ここまでのお店を用意されると、きっちりした大事な話なのではないかと緊張する気もしますが、本当にそんな日がきたら、もう苦しくて眠れないくらいお腹パンパンにして帰りたいです(笑)」
戸田さんが豪奢な赤坂の中華に高ぶったのは、普段は行かないタイプの店でもあったから。37歳、一児の母。たまの外食はお子さんと一緒が前提で、いまのお気に入りも中華だった。
「星付き店でシェフをされていた方が独立して開いたお店で、料理がすごく美味しいのに子どもも入りやすい。食育も一緒に考えてくださいます。
すごく助けられているし、行くたびにメニューが変わっていて“もう二度と食べられないんだ!”という貴重な感じが私の食欲をかき立てます。添加物を使わないので、安心して食べられるところもいいですね」
他、特別な日に行くのは毎回1組限定の鮨店。基本は自炊だが、『地獄に堕ちるわよ』の撮影中は夜中の帰宅も多く、家族のサポートのもと、戸田さんは細木数子に入り込んだ。
「私が細木数子さん?到底できないだろうと最初は思ったんです」
“戸田恵梨香が細木数子を演じる”。そんな文字情報を初めて見た時、意外に思った人は少なくないだろう。
実は、約2年前、戸田さん本人もそう感じたとか。
「次々と疑問が湧きました。なぜ私?いつの年齢の細木さん? と。かなりの衝撃を覚えたのですが、脚本を読むと、もう面白くて。
私やりたいですと素直に言いたいほどの作品でしたが、細木数子さんは実在した人物。特に私の世代やそれ以上の世代はみんな知っている、近い歴史の人。
負担が大きすぎるかなと不安になり、一度は“私じゃない方がいいのではないですか?”と話しました。到底できないだろうと思ったんです」
覚悟を決めたきっかけは?
「見た目も違いますし、喋り方など、どこまでご本人に寄せるか確認したところ、プロデューサーさんから“モノマネは一切しないでください。あくまで細木数子という女性の人生を借りるイメージなので大丈夫です。脚本から戸田さんが感じる細木数子を演じてください”とのお言葉をいただいたんです。
さらに、“地獄に堕ちるわよの言葉が戸田さんの声で聞こえた”とまで。そこまでイメージできたということは、どこかに自分と細木さんが繋がる線がひとつあるはず。そう信じることにしました」
結果、ティーザー予告と予告編だけで計200万回以上(取材時)の再生と異例の反響だ。
劇中では、数子の貪欲さが、時に華麗に、時に陰をもって表される。芝居を始めて以降、「がむしゃらにやってきた」と話す戸田さん。数子も、ひたすら猛然と働く。共通するエネルギーがあるかもしれない。
「“二兎を追うものは一兎も得ず”とは言うけれど、私は両方手に入れたいと思うタイプ。何かを犠牲にするぐらいならやらないし、優先順位をはっきり決めて、あとで絶対取りに行くみたいなタイプです。そういう貪欲さは共通している気がします」
「撮影終了から1年以上経つのに、まだまだ演じたい気持ちのまま」
劇中の数子の欲は金銭や名誉だったが、戸田さんの欲とは?
「人生において、自分が人として成長することに一番興味があります。作品と出合い、お芝居を通しての変化が大きいですが、本や人との会話からもたくさん学ぶことがあります。
これまで、ふとしたきっかけで自分が成長する瞬間を感じてきていて、その瞬間が快感。逆に、成長が停滞していると思ったら焦ってしまいます。学び続けることに強い欲がありますね」
そして、現在こんな欲も。
「いつも作品が終わったら、ひとつの区切りが完全につくんですね。だけど今回は、撮影終了から1年以上経っていますが、“細木数子さんはもっとこうだったかも”と解釈の変化がどんどん出てくるんです。
それほどご本人の人生への興味が尽きず、お芝居をしていて本当に楽しかったなと感じます。実は、まだまだ演じたい気持ちがあるままです」
細木数子という迷宮的人物像に、はまり込んだように話す。
「わりと自信がないんですよね」
あまりに強く向き合うゆえの本音も漏れた。
しかし、作品を観た人は鮮烈にこう思う。細木数子が、確かにそこにいた。そして、「あんた、地獄に堕ちるわよ」の声が心にこびりつく。
■プロフィール
戸田恵梨香 1988年生まれ、兵庫県出身。2019年後期の連続テレビ小説『スカーレット』はじめ人気作の主演多数。2026年は日曜劇場『リブート』(TBS系)に出演。Netflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』が4月27日から配信開始。
■衣装
トップス¥46,200、パンツ¥77,000〈すべてアキコ オガワ TEL:03-6450-5417〉、バッグ¥217,800、サンダル¥202,400〈ともにジミー チュウ TEL:0120-013-700〉、ピアス¥63,100〈トムウッド/トムウッド 青山店 TEL:03-6447-5528〉
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