Q2:男が結婚を決意した理由は?
そして年が明け、「今年も結婚はないか」と諦めていた頃、亮太が、引っ越しをすることになった。
年末に彼は転職をし、給料が上がったこともあって、三宿から池尻大橋へ引っ越すらしい。そんなタイミングで、彼が急にこんなことを聞いてきた。
「加奈の家の契約って、いつ更新だっけ?」
「え?」
これまで、彼がそんなことを聞いてきたことがなかったので、私は驚いた。
「今年の6月までだよ!」
「そっか」
しかし、この話はそれ以上広がらなかった。
そしてしばらく経った金曜の夜、近所でご飯を食べた後、池尻大橋にある紹介制のバー『TWO LEAVES』に亮太が私を連れていってくれた。
一見、どこにあるのかわからない入り口。インターフォンを押して中に入ると、驚くほどハイセンスな内装が広がっている店内。そのバーは、まさに“業界人が集う店”と言う感じだった。
「亮太、こんな素敵なお店によく来るの?」
「この前、先輩に紹介してもらったんだ。いいでしょ、ここ」
「うん。すごく素敵」
集っている男女もおしゃれで、私は美味しいお酒と共に気分が高揚していく。
― いつの間にか、こんな素敵なお店の常連になれるほど、亮太は成長していたんだ。
そう思うと、すっかり感慨深くなってしまった。
尊敬の眼差しで亮太を見ていると、カウンター席の皆様は繋がっているのか、隣の方が私にも話しかけてきてくれた。
「亮太の彼女さん?」
「はい、そうです。初めまして、加奈と申します」
「加奈ちゃん!亮太から話は聞いてるよ」
「え〜そうなんですか?嬉しい。良い話だといいのですが(笑)」
「もちろんだよ!」
初めて行ったお店なのに、皆優しくて、良い雰囲気で、私もすっかり打ち解けていた。
帰り道、亮太が私の手を急に握ってきた。
普段私の手なんて握らないので、びっくりして見つめ返すと、少し照れくさそうにしている。
「もう2年だね」
そう言うと、亮太も頷いた。
「そうだね。あっという間だな」
「本当に、私たちってケンカとかしないよね。2年の間に、ケンカしたことあった?」
「いや、ないな…。あとさ、加奈って束縛とかもしないよね。『いつ、誰とどこで飲んでたの?』とか言わないじゃん?」
「言っても意味がないというか…別に、亮太のこと信じてるし」
「そっか。ありがとう」
「こちらこそ。それより、寒いから早く帰ろう」
そう言って、私はもう一度亮太の手を強く握った。酔っ払った亮太の手は、心なしかいつもより温かい気がした。
この日からしばらく経って、亮太が、プロポーズをしてくれた。
心の底から嬉しいし、未だに信じられない気持ちでいっぱいだ。
ただどうして、彼は結婚を決めてくれたのだろうか?現実なのに、嬉しくてふわふわとした気分が続いている。
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男が結婚を決めた理由は?







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池尻大橋のお店は先々週辺りも同じ店出てた気が...