A1:よく話す子だなと思った。
茉莉花とは、知り合いに連れて行ってもらったバーで出会った。その店の常連のようで、彼女は一人で来ていた。
目が大きくて可愛くて、華奢ながらもメリハリがあって、純粋に「この子、可愛いな」と思った。
最初は、連れて行ってもらった人と3人で飲んでいたのだけれど、気がつけば僕は茉莉花と2人で話していた。
「茉莉花さん、明るくて面白いですね」
「健太郎さんも素敵です」
そして自然な流れで連絡先を交換していた僕たち。そして、すぐにまた会うことになった。
しかし、なかなかお互いの予定が合わず、お互い別々で食事を終えた後、2次会から会うことになった。
「お疲れさま。ごめんね、遅い時間からで」
すると、茉莉花は満面の笑みで答えてくれる。
「全然大丈夫。むしろお仕事忙しいなか、時間作ってくれてありがとう。今日、会えることすごく楽しみにしていたから、会えて嬉しいな♡」
今日も、可愛い。僕も思わず笑顔になった。
「ありがとう、そう言ってくれて。僕も楽しみにしていたよ」
「私も新年会で忙しかったから、逆に2軒目からで助かったかも」
「良かった。何飲む?」
「とりあえず…ハイボールにしようかな」
「いいね。俺はロックにしようかな」
こうして、デートが始まった。ただこの時の僕は、酔っ払っていたせいなのか、何なのか…。まだ気がついていなかった。
「健太郎くんは、何の仕事をしているの?」
「僕は建築系だよ。茉莉花ちゃんは?」
しかしこの会話あたりで、何となくの違和感を覚える。
「茉莉花ちゃんって呼んでくれるの、嬉しいな。私は外資系のブランドで働いているよ。だから一応、カテゴライズではアパレルになるのかな…といっても販売員じゃなくて本部の方だけどね」
そう言いながら、なぜか近づいてきた茉莉花。しかし同時に、僕は違うことを考えていた。
― よく話す子だな。
何となく、そう感じた。
「あのバー、よく行くの?」
「うん。一人で飲みたい時には行く感じかな。マスターとも仲良いし、一人でも通いやすくて。普段はそんなに一人で飲まないけど、あのお店だけは特別なんだよね」
「俺はこの前初めて行ったけど、いい店だよね」
「そうなの〜!居心地も良いし、雰囲気も良いから何となく通っちゃうよね?」
話してくれる女性は嫌いではない。だから完全に嫌とかではないのだけれど、少し話を振ると、倍以上返ってくる。
だから適度に相槌を打ちながらゆっくりと酒を飲んでいると、想像以上に酒が回ってきてしまった。
「あれ?酔っ払ってるの?可愛い」
「可愛いとか言わないで。というか、茉莉花ちゃん。時間は大丈夫?」
「うん、大丈夫。今日は金曜だし、明日は仕事がお休みだから。健太郎くんは時間大丈夫?」
「うん、俺は何時でも。そういえば、茉莉花ちゃんのお家ってどこだっけ?」
「私は中目黒だから、歩いて帰れる距離だよ。健太郎くんは?」
「僕は恵比寿。そっか、お互い家が近いんだね」
しかも、別に大した内容の話ではない。恋愛の話などもほぼしていない。だから正直、この1回のデートではわからない。
そう思っていると、茉莉花の方から帰り際に二度目のデートに誘ってきてくれた。
「健太郎くん。次は、ご飯に行かない?」
「うん、そうしよう」
もちろん断る理由もなく、僕たちはもう一度会うことになった。







この記事へのコメント
はっきり言えばそうなんでしょ。
まぁやかましい女は勘弁だけど健太郎も性格悪い。
恋愛の鉄則は「明るさ」だと勘違いしてた茉莉花もおバカさん。
男子にやれヒアルロン酸だのボトックスだの言った所で詳しくわからない。もっとお互いの頃を知るための会話をした方がいい。これは健太郎にも責任がある。