Q2:半年で結婚できた理由は?
二度目のデートは、表参道にあるイタリアンで食事をすることになった。そしてコースもほぼ終わり、デザートが運ばれてくるタイミングで、急に瑛二がソワソワし始めた。
― この流れ、もしかして…?
先ほど飲んだワインのせいだろうか。私の鼓動は妙に速くなる。
すると食後のコーヒーを少し飲んだ後、瑛二がまっすぐ私の目を見つめてきた。
「真剣に、付き合ってください」
胸がいっぱいになるほど、嬉しい。今すぐ彼の腕の中に飛び込みたいくらいだった。けれど同時に、心の奥に小さな迷いが芽生える。
4歳年下の瑛二はカッコよくて、きっとモテる。それに、彼に結婚願望があるのかどうかも、まだわからない。
「瑛二さん、すごく嬉しいです。でも……私、36歳です。37歳までには結婚したいと思っています。もし遊びなら、本当に大丈夫なので」
そう言うと、瑛二は迷いなく、大きく首を横に振った。
「遊びじゃないですよ!それに年齢は、関係なくないですか?」
「そうですか?そう言ってもらえるなら嬉しいです」
「じゃあ…お付き合いして頂ける、ということで大丈夫ですか?」
「はい。宜しくお願いします」
「やった!!宜しくお願いします」
こうして、私たちは晴れて交際することになった。
交際してからも、瑛二は特に変わることもなく、ずっと素敵な男性だった。
最初は、お互い平日は忙しいため、基本的に土曜にどちらかの家へ泊まり、そのまま日曜はデートをして夜には解散…ということが多かった。
「瑛二くん、明日は忙しい?観たい映画があるから、一緒に行かない?」
「うん、いいね。予約しようか?」
「ううん、大丈夫。こっちでチケット取っちゃうね」
こんな、何気ないデートも楽しいし、嬉しい。
でもそのうち何となく週末の夜から一緒にいて、そのまま何連続か泊まる…ということも増えていく。
でも一緒にいる時間が長くなっても、一度もケンカをしたことがなかった。
そんな中で、秋のヨーロッパ旅行の計画を立てていたのだけれど、その予約の感じもとてもスムーズだった。
「じゃあエアーは俺が手配するね。沙穂ちゃんは、泊まりたい場所とかある?」
「パリでどうしても泊まりたいホテルがあって。そこは私が出すから、二泊はそのホテルを入れてもいい?他はもう少し予算を抑えたいな」
「もちろん。じゃあホテルは沙穂ちゃんに任せる。現地の食事代は、考えよう」
「OK!もし瑛二くんの方が、支払いが多過ぎたりしたら言ってね。あと、出発当日は瑛二くんの家から一緒に行くよね?パッキング面倒だな…」
最近、瑛二の家に泊まる頻度が高まり、少しずつだけれど、私の荷物が彼の家に増えていた。
でも旅行となると、私の家にある荷物も、瑛二の家にある荷物もまとめないといけない。その作業が、少し面倒だなとも思った。
「そもそもだけど、沙穂ちゃん、荷物を毎回家に取りに帰るのは大変じゃない?もう一緒に住む?」
そう言ってくれるのは嬉しいけれど、その前にやることがある。
「うーん。それは結婚してからだね。ちなみに、そろそろタイムリミットが迫っておりますので宜しくね〜」
「ん?何のタイムリミット?」
この発言を聞いて、私は膝から崩れ落ちそうになった。
「え?私の誕生日、4月なんだけど」
そう言っても、まだポカンとしている瑛二。その顔を見て、思わず突っ込まずにはいられなかった。
「交際する時に言ったでしょ?『37歳になる前に』って」
「あぁ、そんなことあったね」
― ダメだ…やっぱり瑛二くん、忘れてる。年下だし若いから、結婚なんてまだまだ先のことなのかな…。
そう思い、半ば諦めていた。
しかし結果として、瑛二はヨーロッパ旅行の際にプロポーズをしてきてくれた。
でも、どのタイミングで、いつ決意したのだろうか。
約束を守ってくれた瑛二に感謝しつつ、結局のところ何が結婚の決め手だったのだろうか、いつか聞いてみたいと思っている。
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