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【2025年外食トレンド座談会】東カレ×ベテランライターが選ぶ、いま行くべき「東京レストランの正解」

2025年のイタリアンは個性が明確な店ぞろい


中野:イタリアンは揺るぎない人気を誇るジャンルですが、2025年の動向はどうご覧になっていますか?

小石原:うーん、単純に軒数だけでいうと、話題に上るお店はあまり多くなかった気がしますが。

森脇:自由が丘『mondo』の宮木康彦シェフが“クチーナ・トキオネーゼ”というコンセプトを打ちたてて、お料理も内装も店名も一新してリスタートを切った『Siamo noi』が素晴らしかったですね。

小石原:そうでした!食材は、シェフをはじめとするスタッフが足を運べる範囲のエリアから仕入れるのが基本。そしてチーズや醤油、塩までも自家製という、今までにないアプローチで独自の世界観を確立されています。

船山:既存店がパワーアップという似たケースだと、中目黒で圧倒的な人気を誇るピッツェリア『Pizzeria e Trattoria da ISA』が、山手通り沿いから2本ほど奥まった目黒川沿いに移転。今まで以上にかっこいい店構えで、使い勝手も良くなりました。

森脇:そのとおりですね。ほかには、野菜の使い方に定評のある『JINBO MINAMI AOYAMA』の姉妹店『Pienezza FUKASAWA』もオススメしたいです。こちらでもやはり地元の野菜がふんだんに使われています。夜景を望めるロケーションで、デートにも最適です。

小石原:そうそう、六本木『Brando』は、前菜・パスタ・メインから好きな5皿を選んで¥12,000というプリフィクススタイルが新鮮でした。山口 徹シェフの料理は、安定感も抜群。

船山:9月に人形町にオープンした『Firmamento』の料理に圧倒されました。オッソブーコのゼラチン質の食感をトラフグの皮で表現してリゾットに添えたひと品など、和食の技法を凝らしたアプローチが新鮮。完成度の高さに、ひと皿ごとに唸ってしまいました。

小石原:今回の2026年1月号「TRN」でご紹介していますね。大佐古優也シェフは、魚の扱いを学び、理解を深めたいと『龍吟』でも修業した勉強家。そうした経験がきちんとお料理に生かされています。

中野:ここ数年の傾向ですが『Cheval』は小伝馬町、『Firmamento』は人形町と、東京の東側が実に賑やか。人気の『渡辺料理店』の姉妹店『jiü』や、『アッピア』出身の『lib』が加わった門前仲町も注目エリアです。

パワーアップしたイタリアンの名店に注目

3.『Pizzeria e trattoria da ISA』@中目黒

中目黒『Pizzeria e trattoria da ISA』の外観


『Pizzeria e Trattoria da ISA』は移転後、席数も倍以上になり、テラス席も人気に。

Pizzeria e Trattoria da ISA(中目黒) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

4.『Siamo noi』@自由が丘

自由が丘『Siamo noi』のスタッフの方々


『Siamo noi』では、自由が丘近郊にある「髙橋農園」の野菜や、三浦半島の卸「さかな人」の魚を毎朝仕入れる。

Siamo noi(自由が丘) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

多様化する日本料理と酒場の注目株はここだ


森脇:先ほどフレンチの話をしているときにも感じていたのですが、今年はアラカルトで楽しめる新店がジャンルを問わず多かった気がします。おまかせコースのみ・一斉スタートというスタイルが多い日本料理の世界でも、そんなお店が。

東麻布『寛心』は「おきまり」の最初の3品をいただいたあとは、豊富なアラカルトのお品書きから自由にオーダーできます。

小石原:素晴らしいお店ですよね〜!いただきたいものだらけで、注文を決めるのに苦労しました……。

森脇:しかも、遅い時間なら最初からアラカルトでも大丈夫。そして、単に使い勝手がいいだけではなく、お料理のクオリティが高いから、安心していただけるんです。

なんといっても、店主の中井甚恭さんは『京都𠮷兆』で20年以上の修業を積んだ腕利きの料理人。華美に走らない上品な割烹料理は、確かな出自を感じさせます。

小石原:確かな腕前というと、お店のスタイルは対照的ですが『百薬 by 徳山鮓』の佐藤 均さんにも圧倒されました。“食材ハンター”の異名を持ち、知識と理解度が別格。また“発酵オーベルジュ”として知られる『徳山鮓』の徳山浩明さんから届く熟鮓(なれずし)や熊肉、鹿肉など、東京にいながらにして余呉湖の自然の恵みを味わえます。

船山:本格的な日本料理からは少し話題が変わるのですが、個人的には若い人でもリアリティのある価格帯の「酒場」が多様化した年だと感じています。

昔なら「東京カレンダー」では、あまり取り上げなかった“奥渋”や下北沢といったエリアに魅力的な酒場が増えました。池尻や三軒茶屋の台頭もすごい。若者が楽しそうに飲み歩いてます。

また、『赤坂 港かっぽれ』や渋谷の『YAOYA Ba』みたいに、年齢制限を設けてお店の空気感をコントロールしている酒場も面白いです。

和食の注目店も続々誕生している

5.『百薬 by 徳山鮓』@銀座

銀座『百薬 by 徳山鮓』の内観


『百薬 by 徳山鮓』は『徳山鮓』の徳山浩明さんが監修。オープンから1年未満でミシュラン一ツ星を獲得し話題に。

百薬 by 徳山鮓(銀座) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

6.『御料理 無窮』@六本木

六本木『御料理 無窮』の「黒毛和牛サーロインのしゃぶすき」


9月にオープンした『御料理 無窮』は『未在』で研鑽を積んだ五十嵐庄大朗さんが店主。

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