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【2025年外食トレンド座談会】東カレ×ベテランライターが選ぶ、いま行くべき「東京レストランの正解」

毎年のように更新されるレストランのトレンド。ゆえにこの世界は最高に興味深いわけだが、2025年はどんな年だったのか?

編集部の2名と日本を代表するふたりのフードライターが語り合った。



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座談会のメンバーはこの4名!

フードライター・森脇慶子氏


大学を卒業後、サンケイリビング新聞社に入社。食いしん坊な性分から1年足らずで食専門のライターに。この道一筋四十余年。最近は、中華と和食にシフトしがち。

フードライター・小石原はるか氏


レストランを偏愛する健啖家として、グランメゾンから大衆酒場までを巡る。著書に『自分史上最多ごはん』『東京最高のレストラン』(共著)など。

副編集長・中野愛子


レストランとの一期一会を大切に、どんな高級店でも悔いなきよう好きな酒を好きなだけ飲むのが信条。社内でも「中野=泡」と浮かぶほど、シャンパンへの愛が強い。

編集部デスク・船山壮太


フードライターを経て東カレ編集部へ。在籍歴は10年超え。好きなジャンルはフレンチと定食。24年にはワインエキスパートを取得。タンニン豊富な赤が好み。

ハイレベルなフレンチがしのぎを削った2025年


船山:今年も1年間を振り返る時季になりました。2025年も例年同様たくさんのレストランがオープンし、誌面でもさまざまなお店を紹介してきました。2026年1月号では2025年を彩ったお店を紹介していますが、皆さんにとってはどんな1年だったでしょう?

小石原:私がフランス料理贔屓だから、ということもあるのですが、とにかくフレンチが元気だった年だな、と。

まず話題をさらったのは、なんといっても『mærge』。柴田秀之シェフが「三ツ星を獲る!」と高らかに宣言して開いたグランメゾンです。オーセンティックなフレンチの文脈に則ったお皿と、素材へのアプローチが日本料理的なお皿が違和感なく組み込まれたコースに心躍りました。

ほかには、ベテランシェフの独立店が続々と。

森脇:赤坂洋介シェフの『La Maison Confortable』や小泉敦子シェフの『Cheval』ですね。

『La Maison Confortable』は、メニューを一読した段階では「この食材の組み合わせでどんな出来上がりになるのだろう?」と想像がつかないのですが、出てきたお料理をいただくとバランスよく、きれいに着地している。培われた技術の高さとセンスの良さを感じます。

『Cheval』は、カウンターでワンオペという形態ながら、きちんとしたレストランの味をアラカルトでいただけるのが嬉しい。

また、アラカルトといえば、『北島亭』仕込みのガツンと骨太なお料理を食べさせてくれる『BISTRO H』は、期待の新星です。

中野:大好きだった『ピエール・ガニェール』が1月に閉店してしまい、悲しみに暮れていたんです。

が、エグゼクティブシェフとして腕を振るっていらした赤坂シェフが晴れて独立!ということで期待を寄せていた『La Maison Confortable』には、いい意味で裏切られました。日本の食材を存分に活かした透明感のあるお料理は、これまでとはひと味違う赤坂さんワールド。

次はカウンターでひとり、シャンパングラスを傾けつつ美味なる品々に浸りたい。

船山:『mærge』には今号の撮影で伺いましたが、あの空間にはとにかく圧倒されました。

それから『乃木坂 しん』のソムリエ飛田泰秀さんがメンバーに入っていて、サービス陣のスキルの高さも東京随一だと思います。

ベテランシェフの挑戦が目立ったフレンチ

1.『La Maison Confortable』@麻布十番

麻布十番『La Maison Confortable』の料理一例


『La Maison Confortable』とは“心地良い家”の意味。

料理7品とデセール2品を楽しめるコース(¥27,500)がオススメ。

La Maison Confortable(麻布十番) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.『BISTRO H』@西荻窪

西荻窪『BISTRO H』の外観


西荻窪の『BISTRO H』は雰囲気も抜群。『北島亭』仕込みのフレンチをぜひ。

BISTRO H(西荻窪) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

懐かしい味わいに心温まる「洋食」のルーキーが続々と


小石原:今年は「洋食」をコンセプトに打ち立てたお店が立て続けに登場しました。4月に赤坂『arrosoir』、6月には日本橋『L'appetit』と白金高輪『洋食レストラン marronnier』がオープン。洋食の新店は長いスパンで見ても少ないので、かなり珍しい現象です。

中野:『arrosoir』は、銀座に華々しく移転した『アマラントス』の宮崎慎太郎シェフが「跡地を後進の活躍の場所として活用したい」という思いでオープンされたんですよね。

森脇:“marronnier”は、阿久津正輝さんが浅草の『レストラン大宮』出身だけあって、正統派の洋食メニューがそろっていて目移りしました。

手をかけて取ったダブルコンソメ、艷やかなデミグラスソースがたっぷりかかったオムライス、懐かしい味わいのグラタンetc. 3〜4人で行っていろいろシェアすると楽しいお店です。