3caebc790b2091df8bafabc0f1cdb5
ニューヨーク恋愛物語~商社マン遥斗の場合~ Vol.9

「好きだけど、なんか合わない」バリキャリ女子と付き合って半年、28歳商社マンが感じた違和感とは

◆これまでのあらすじ

ニューヨーク転勤をすることになった総合商社勤務の遥斗。

付き合っていた彼女にフラれたことをきっかけに、新しい出会いを探すことに。

日本人で現地のコンサル会社に勤める莉乃と出会い、告白して、遥斗は莉乃と付き合えることになった。

▶前回:「家、行ってもいい?」デート中に女性からの思わぬ一言。嬉しいはずの彼が戸惑った理由


Vol.9 恋人との生活リズム


ピピピ…。

朝6時。目覚ましの音で遥斗は目を覚ました。

ブラインドからは、白く透き通った朝の光が室内に差し込んでいる。

その時背後でカタッと音がした気がした。

莉乃?」

昨晩泊まりに来た彼女の姿を探すが、見当たらない。

やはり今日も先に出たのか、と少し寂しさを感じながら、遥斗はエスプレッソマシーンのボタンを押してコーヒーを淹れた。

莉乃の朝はいつも早い。

付き合って半年以上経つが、莉乃は休日でも6時には起きて、ランニングやジムに励む。

平日はさらに早く、5時前に起きて運動をした後シャワーを浴び、朝ごはんを軽く食べて6時には出社しているらしい。

その分仕事を終えるのも早く、早い時は18時には退社する。

一方遥斗も朝は早いが、莉乃ほどではない。ただ、莉乃と違って夜が遅い。

昔よりは緩くなったと言われているが、それでも日を跨ぐことも少なくない。

そのため、莉乃とはすれ違いの生活が続いていた。

会うのは基本的に週末。けれど、お互いに出張が入ったり、仕事や用事が入ったりすることもあり、毎週会えるわけではない。

二人とも仕事や自分の時間を大事にしながら、会う時は付き合いたてのように甘い時間を過ごす。

そんな関係が、遥斗の理想だった。

けれど、そううまくはいかなかった。

「今夜、一緒にご飯食べない?」

平日19時、珍しく莉乃からテキストが届いた。

最近週末も予定が合わずに会えないことが多く、遥斗も会いたいと思う。でも今日も遅くまでミーティングが入っている。

「ごめん、この後本社とのミーティングがあるんだ」

「それって、遥斗じゃなきゃだめなの?」

予想外の返信に、遥斗は戸惑う。

ミーティングに呼ばれているのに、それを断るという選択肢は余程のことでない限りない。

だが莉乃は「すべてに出席していたら時間がいくらあっても足りないじゃない。取捨選択しなくちゃ」と言う。

先日のデートも、沈んだ顔で現れたので理由を尋ねると、言葉に怒りの色を乗せながら言った。

この記事へのコメント

Pencil solidコメントする
No Name
別れるの一択しかない😂 とっととロンドン行っちまえ〜  でも次回が最終回って、なんだろう不完全燃焼感....もう少し深い話になれば良かっただけに残念。
2025/12/31 05:1511
No Name
仕事に対する指図とか上から目線の物言いは止めた方がいい。それは文化の違い云々ではない。莉乃の、たかだか在住10年で完全にアメリカに染まった?!既に自分はアメリカ人のごとく遥斗をおちょくる感じが無理過ぎる。 来週、莉乃と別れ土壇場で知り合った女子との話で終わればいいが。
2025/12/31 06:328
No Name
合わない2人の話を読まされてたのね
2025/12/31 06:505
もっと見る ( 9 件 )

ニューヨーク恋愛物語~商社マン遥斗の場合~

ニューヨーク。
眠らない街で、スマホを片手に恋を探す男がいた。

日本でも海外でも主流となったマッチングアプリはもちろん、最近流行っている「リアル」な出会いイベントにも顔を出す。

成瀬遥斗、28歳。総合商社勤務6年目。ニューヨーク駐在中。

その肩書もあって、マッチングアプリを開けば、メッセージは山のように届く。
しかし、出会いは星の数ほどあるが、本当に心を許せる“誰か”には、なかなか出会えない。

成功や出会いが次々と生まれるニューヨークで、遥斗の恋人探しの旅が始まる。

この連載の記事一覧